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因幡の白ウサギ事件?後半

この薬は、実在します。私の三種の神器です。あと2つは、葛根湯と苦くて粉っぽい量の多い胃薬です。

揺れる洗濯物を眺めていると、何かいい匂いがした。使いっ放しにしていた鍋が、コンロの上にある。

『よかったら、温めて食べてね。』シンク近くにメモがある。蓋を開けると、玉子雑炊があった。お雑炊。若い社員さんが、お腹こわして、グッタリしたときに給湯室で作ってたやつだ。昼休み、コンビニの材料で手際よく。『本当はお粥さんがいいんだけどね。空っぽの胃袋で薬飲んだら危ないから。ちょっとでも胃に入れて薬飲んで。落ち着いてから帰りましょう。』

ソイツは完食し、彼女から胃薬をもらい少し休んで帰って行った。

…マジ美味そうだった。俺にもくれ!周りの社員さんもそう思ってたはず。ちなみに、ソイツはそれから彼女の大ファンだ。副会長にしてもいいかもしれない。


…美味いです。母、すみません。貴女の料理より美味いです。今の体に、染み渡ります。

薄味の優しい風味が、熱のある身体にぃ~(笑)

小鍋一つあったお雑炊を平らげ、どうしてもっと大きな鍋を買っていなかったのかと思った俺は〜〜

とりあえず、親不孝なのだろう。

母、ごめんなさい。

今度の帰省には、お土産奮発します。

そう思うほど、本気でめちゃくちゃ美味かった。まだ、熱っぽい頭で痛み止めをスポドリで飲み込む。とにかく、体調復活優先。無理良くない良くない。

おやすみなさい。


結果から言えば、翌日寝込んで復活!

あの薬は、本当に効いた。背中の皮膚がずるむけてたのに、ほぼ生還!ありがとうございます。君の名前は忘れない!子孫にも伝えるから!私は君の伝道師になる!と、思うレベルで治った。クッキングペーパーもいい仕事してくれた。血や体液を受け止めてくれたらしい。Tシャツもシーツも被害無し。恐るべしクッキングペーパーのポテンシャル(笑)

冷蔵庫のたまごサンドも平らげたし、熱も下がった。頑張ります!

そして、俺はお仕事に行く。


「おはようございます。」

いつものように、声がかかる。

お礼を言おうとする俺に、苦笑しつつ指を唇にあて、ナイショというポーズを取る。

対応に困る俺に彼女は、小さな声で

「ランチ奢ってね(笑)」

…キラキラエフェクトが、増量した。


何がよろしいのでしょう?俺の知ってるとこは、親父さんがやってる小汚い居酒屋ランチですけど。安くて美味くて盛りのいいコスパ最強ですけど、女性を連れて行くお店ではないです。鰻ですか?お寿司ですか?焼肉とか?確か会社の近くに美味しいとんかつ屋ありましたよね!とんかつも違う?選択肢が、オッサン?仕方ないです。オッサンですから(苦笑)

すっごい美味しいお鍋屋があるって、専務が言ってた!そこってランチやってるのかな?フレンチ?イタリアン?昭和かよ!インスタ映えがするカフェとか、そっち?女性は、お野菜を好むって誰かが言ってた!食べ放題のしゃぶしゃぶ!オシャンティーなスペインバル?…それは夜ご飯です。

唸れスマホ!予約してカッコいいとこ見せるんだ!ガンバレ俺(笑)


またもや暴走を始めた俺に、ニコリと笑った彼女は言った。

「B定食。ごめんなさい。贅沢かな?」 

……社食っすか?


キラキラエフェクトがまた増量した。

…今、ドキュンって胸の中で音がした。バキュンかもしれない。


…どうやら俺は、経済的で、某お姫さま映画の魔法使い?で、神話の人で、小学生の学芸会の葉っぱの人を、好きになったみたいです。

どうしよ?

最後までお読み下さってありがとうございます。

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