頑張れ俺!
…何事も着丈身丈が大切かと。
…さりげなく(昭和か!)というか、目立たなくて、それでいて感謝の気持ちを渡したい!
そんなことを考えた俺の手には、がんばって買ったハンドクリームが、まだいらっしゃる。
化粧品売場のほうが、敷居が低かったのね。ここまで悩むとは思わなかったです(笑)
さすがに同期には聞けなかった。『さりげないプレゼントの渡し方!』絶対、喫煙スペースが揺れるくらい笑う。お前、ドコの中学生だよ~って言われる!
『筋トレより、腹筋鍛えられたわ~ありがとう。』って、目尻に涙浮かべてひーひー言われる。
ぜってぇ聞けない…
親友の彼女さんに聞くのも怖い。あのとき、背後にイナヅマ見たもん。…恐かった。くぅ~ん。
散々考えて、俺の取った行動は限りなくシンプルなものでした。人生着丈身丈。身に合わない背伸びは良くない良くない。
出勤前、ちょっと遠回りして毎日飲むにはお高いお持ち帰りの珈琲とチャイを買って、紙袋に詰めて貰った。そこにハンドクリームを忍ばせて、普通に渡す!
完璧!
ちなみに、珈琲は俺の分です。彼女が朝茶の支度をしてる側で、少しでも会話が出来たら嬉しいなぁ(笑)
いざ、出陣!
見慣れた会社なのに、今日はデカく感じます(笑)頑張れ俺!
もう、彼女は来てる時間。俺はいつもより早く来てるから、周りに邪魔されることはないはず!ですよね?
いつものように、出勤手続きをして、鞄も置かずに彼女の元へ向かう。お湯を沸かす薬缶の音。小さく聞こえるのは、彼女お気に入りの音楽。何度もチェックして、お仕事フロアには聞こえない音量調整したと笑っていた。まだ、ほとんどの社員が出勤していないのに、彼女らしい気遣い(笑)ヘッドホンにしないのは、声をかけられた時にすごくびっくりして、かけたほうもかけられたほうも、飛び上がったことが何回かあったからだそうだ。
彼女いた!
頑張れ俺!
おはよって声をかける。
いつものように、振り向いてくれる彼女。あれって顔だ。確かにいつもより早く来てるから。
「ごめんなさい。珈琲まだなの。もう少し待ってくださいね」
少し慌て気味の彼女が、とても可愛らしいです。どう見ても、葉っぱの人か神話の人。お姫さま映画の魔法使いなんだけど。恋って怖いです。
「はい。プレゼント(笑)一緒に飲もう!」
さり気なく笑えたろうか?声、震えてないよね?大丈夫だよね?
紙袋を押し付けるように渡し、出来る限りにっこり笑う(ように努力した)
紙袋の中を覗き込んだ彼女は、軽く困ったように笑って、俺の分の珈琲と彼女のチャイを取り出してくれた。
「ありがとう。ご馳走になります。ここのチャイ。大好きなの。」
ありがとう同期!君のアドバイスは、無駄ではなかった(笑)
リサーチ大事!やりすぎは良くないけど(笑)
そして、楽しい時間は、ホントにすぐ過ぎる。紙袋を片付けようとする彼女に大きな?が浮かぶ。他の社員さんに聞こえないように小さめの声で、
「この間のお礼です。ホントに助かりました。ありがとう。」
…がんばった、がんばった、がんばったよ。俺!スキーのジャンプ台から飛んだくらい?この前のオリンピックで凄かったスノーボード?バンジージャンプ?清水寺の舞台から飛び降りたくらい?がんばった!
その後、どうやって席に着いたのか。その日のお仕事進捗とか、全く記憶にございません。(笑)
お仕事に私生活持ち込み。良くない良くない。
最後までお読みくださってありがとうございます。




