11 スキル作成使いの日常は帰ってくる。
「セシア……セシア……」
完全に放心状態になってしまった。
「やっぱり、助けてあげたほうがいいんじゃなすか?」
「うーん、俺はどっちでもいいんだが、果たしてアイツに覚悟があるかどうかだよな」
「覚悟?」
「ああ、いくらスキル作成とはいえ、蘇生魔法とかは魔力がいくらあっても作れない。それくらい莫大な魔力が必要だ。でも、まだ方法はある」
「詳しく言うと?」
「魔力と命半分でできる。さっきの俺が使ったのと似ている。だから、半分減るってことの覚悟さ」
「一応聞くだけ聞いてみたらいいんじゃないすか?」
「……ジャンがそう言うならな」
俺は放心状態のアンドレアに話しかけた。
「なぁ、セシアを生き返らせたいか?」
「なんだよ、貴様。そんなの、当たり前だろ……?」
「なら、覚悟を決めろ」
「セシアが生き返るなら僕はなんだってできる……」
「分かった。なら、助けてやろう。《軽減蘇生》。さあ、お前の名前を言え」
「アンドレア・ウォルバー!」
『アンドレア・ウォルバー。あなたの命を半分使い、蘇生します』
そして、光が差し込むと、一気にひかる。
「眩しいっす!」
そして、光が立ち去ると、セシアに動きがあった。
「セシア!」
「ん……ん……」
完全に蘇生が完了したようだ。
「ありがとう。助けてくれて……もしよかったら、俺のパーティーに入らないか?」
「は? 何を言っている。お前らみたいな雑魚パーティーに入るものか」
俺はそれだけ吐き捨てると、パーティーメンバーと一緒に学院に向かった。
「なんかスッキリした!」
「わかるっす! あんだけ威張ってた奴が!」
「人の不幸は蜜の味って言うしね……」
「まあ、なんだかちょっと可哀想にも思えたけど」
「「それはない」」
リナの言葉に俺とジャンは即座に否定。
「それにしても、あの魔物、強すぎだ」
「マジ死ぬかと思ったっす」
「まあ何にあれ、これで日常が戻ってくるわけですか」
これは後から分かった話なんだが、この後、アンドレアのパーティーは投資金に見合う働きが出来ていなかったこともあり、8割程度返さなければ行けなくなったらしい。
そして、不動のトップだったアンセシマリはだいぶ下まで落ちたらしい。
一方俺たちのパーティー、ルーディラスは三十位まで上り詰めていた。




