叩きつけられた現実
サクサク美味しいクッキーの様な味わいをあなたに。クッキーが不味い?このクッキーにはまだ改良の余地が有る。今はそれに気付く為に試し試し手探りで料理しているのさ。
…………激しい痛みで目が覚めた。苦痛に顔を歪ませながら俺は重い瞼を開けると、そこには白い雲を泳がせた青く綺麗な空が広がっていた。
何故だが知らないが、どうやら俺は生きているらしい。しかも、五体満足で。
痛みはあるのだが、不思議な事に身体には何の問題も無く、試しに手のひらを目の前でグッ、パーさせてみても何ら異常は無い。寧ろ、異常なのは俺の方だろう。
何せ、普通の人間なら死んでいる筈の速度で、巨大なビルに突っ込んだのだから。
とりあえず、状況が分からないので倒れ込んでいた瓦礫の上から立ち上がる。身体の上に乗っかっていた灰が落ちて、煙を巻き起こすが、そんな事はどうでも良い。
それより、ここがどこだか知る方が俺にとっては最も価値の有る情報の様に思えた。
軽く辺りを見渡してみると、どうやらここは廃墟街らしい、全くと言って良い程、誰一人見当たらない。
とりあえず、俺はそこら中の残骸を見渡してみるが、人どころか、ネズミすら居ない。
ここは一体どこなんだ?そんな困惑だけが、俺を包んでいた。
一人称が違うじゃないかと疑問になられたお方も居るでしょう。ええ、分かります、もしも、私であれば、そう思うでしょうから。しかしながら、この作品に用意させて頂いた限り、『その人』はこの喋り方でなくてはならない為、この口調でございます。どうかご理解の程、よろしくお願いいたします。