テーマ『春の雪』
「学校を休んでるから、見舞いに来たけど、元気そうだな。」
「元気なもんかぁ。」
「泣くな、何があった?」
「昨日、俺は世界を救った。」
「ああ、頭か…」
「違う!コレだ。」
そう言って、こちらにスマホの画面を掲げて見せる。
「予言アプリ?」
「ああ、このアプリは同時に二つの予言をして、必ずどちらか一方だけが当たる。」
「面白そうだな、それで?」
「予言の結果は『恋ガ終焉ヲ迎エル』『世界ガ終焉ヲ迎エル』だった。」
「あぁなる…、それで布団に引きこもりか。その…、元気出せ、俺にできる事はあるか?」
「ある!お前もこのアプリを使ってみせろ。」
「いいけど。」
いくつもの質問に、全て答えを入力し終えて、予言は…
『春ナノニ好キナ子ニフラレル』
『雪ニフラレル』
マジか…
「よっしゃ!元気出た、ありがとう。」
「オイ!」
翌朝。
僕は、学校に遅刻した。
いい友達を持ったせいで寝つきが悪く、出るのが遅れたせいもある。
「今朝、遅刻してたね、私、見かけたよ。」
声をかけてきたのは、近頃よく話す…まあ予言の子だ。
「道に迷ったおばあさんを助けたりして――」
「これは雪でも降るんじゃないかな。」