テーマ『視線の先に』
『海辺にて』
「まだですか?」
「もうすぐ見えてくると思うんだけれど、けっこう遠いからね」
「どれくらいの距離があるんですか?」
「1億4960万キロくらいかな」
注)↑ググれば何の距離かすぐにわかると思います。
『ダルマさん』
ダルマさん、ダルマさん、にらめっこしましょ♪
なんちゃって。
お母さんには内緒で、画竜点睛を描いちゃおう。
って、あれ、ダルマさん、今、動いてなかった?
うーん、確かめても動く気配はしないなあ。ボクが書いた死んだ魚の目をしてる、って、そんな目で見ないでよ、そっと目をそらす。
だって、小学生に書かせたら、ねえ、ダルマさん・・・
が転んだ!
唐突に振り返ると、うわーうわー、ビクっとした!
じーっと見つめる、うん、目が復活してる。めちゃめちゃ泳いでた。
『むしろ催促してる?』
「今度の休み、何か一緒にしたいことってある?」
「コスプレ写真撮影!」
「あっ、アホ、するかっ、グーでなぐるよ、もう、着替え以外のことで!」
「コスプ・・・」
「ちぇすとぉ!」
「シクシク、痛い」
「いい、良く聞いて、着替えはのぞいて!」
『尊敬する人』
「あなたの尊敬する人は誰ですか?」
撮影クルーを連れて、街頭でのインタビューを敢行、道行く人にマイクを向ける。
「んー、吸血鬼に、初めてトマトジュースを飲ませた人かな。誰かは知らないけど。あなた知ってる?」
「い、いえ、あいにくと存じません。」
天才だ、と言われたらそうかなって気はするけど…、次、いってみよう。
「あなたの尊敬する人は誰ですか?」
「卵焼きに、大根おろしを添えた人。」
うん、そだね、天才だよね。
使えそうな画がちっともとれない!
あ、両手を両親とつないでいる、あの子はどうかな。
「あなたの尊敬する人は誰ですか?」
「お父さん!」
おお、こういうのを待ってた。
「どうしてなの?」
「お母さんと、結婚したから。」
「もう、この子ったら。」
左手をほほにあてて、照れる奥さん。
よし、良い画だ。
だから、絶対にフレームを左には振るなよ。
えっと…
なんか、お察ししました。




