テーマ『手紙』
『封筒』
キミがこの手紙を読んでいるということは、ボクの役目も終わっているだろう。
『あぶり出し』
「このはがき、何も書いてないけれど、あぶり出しかな?」
「ふっふっふ、ただのあぶり出しじゃないよ、よく見て、宛名が鉛筆でかいてあるでしょ?」
「あっ、もしかして消印トリックか!」
「そう!、これはミステリーファンをあぶり出すためのはがきなのだ!」
『書き置き』
「ねぇ、お母さん、知らない?」
「買い物に出かけたみたいだよ、テーブルにメモが残ってた」
「あー、これかあ、どれどれ」
"醤油、玉子、タマネギ、ニンジン"
「って、このメモ、残ってていいの」
『最初の挨拶 名探偵の先生と助手のハチ』
私の名前は、ハチ。
名探偵、師走六先生の助手をつとめています。
いつものように事務所へ行くと、先生の机に置手紙が残してありました。
"ハチへ、この場所で待っていて"
"あ5や1た3は1ま5ま5な5た1ら3た5"
これは、先生からの暗号メッセージ!
名探偵の助手の誇りに賭けて、必ずやご指示を遂行いたします。
あごやいちたさん?
交互に数字があるのは何かの意味が?
いや、それよりも、これって、なんかよく見かける、ポピュラーな暗号のような気がするのだけれど・・・
うわあああん、先生、私には無理です。
「どうした、ハチ泣いたりして。」
「先生!」
「すまないね、朝から行列の出来るお店に行っていたんだ。」
「わ、私こそ、すみません、先生のご指示を実行することが出来ませんでした。」
「何を言っているんだい、君は、私の指示通り、この場所で待っていただろう。」
「へ?」
「ほら戦利品、おやつはモモのタルトだよ。」
『ガラス瓶の中のメッセージ』
Aパート
”旅に出ます、探さないでください”
読み上げたメモを返す。
「何これ?」
「男のロマンだよ」
「むしろ哀愁を漂わせてるけど?」
「これでもか?」
出てきたのは、まごうかたなき金魚鉢。
それも…
「すごく金魚鉢だな」
「この金魚鉢の中に置手紙を残して、海岸に置く。このシチュエーションから推理される事は?」
「まさか、旅立ったというのか!」
「そう、あこがれの大海原へ!」
Bパート
海辺のお散歩で、瓶入りの手紙を拾う、なんてあこがれませんか?
ただ、私が拾ったのは、一風変わっていて…
なんと金魚鉢!
でも、遠い異国に思いを馳せるより、夢のある手紙かも。
”旅に出ます、探さないでください”
目の前には広大な海。
そっかあ、金魚鉢にいた小さな君は、冒険に…
素敵な悪戯の仕返しに、探さないで下さいって手紙に、”連絡先”を書き足しちゃいました。
フフ、このブログのアドレスです。
仕掛け人様、見てくれてますか?
寂しがりの金魚より。
『郵便配達』
テレビのニュースでは、今年も郵便局で、年賀状の受付が始まったと流れていることだろう。
最大の繁忙期を迎えるにあたり、幼稚園の子供たちを招待し、ハンドベルの演奏などのセレモニーが行われている裏で、もうひとつ大切な配達が行われている。
子供たちからのたくさんの手紙を、サンタさんへと届ける仕事だ。
入局したときからずっと、それは、私の仕事だった。
「先輩、なぜいつも、配達するのは私なんですか?」
「そりゃ、お前が行くと、サンタさんが喜ぶからだろう。」
「えっ、本当ですか!」
「ああ、まだまだ、お子様だからな。」
脚注)宛名をえんぴつで書いて遠隔地から自分宛てに送ってもらう → 宛名書きを消す → 日付と投函地が書かれた消印が押されているまっさらなはがきが手に入る → あらためてはがきを書いて、自分の手で届ける → 遠隔地にいたというアリバイ工作に利用する、という有名なトリックがあり、ミステリーファンはつい反応しちゃうというネタです。




