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テーマ『窓からの景色』
『のぞき魔対策』
「確認、お風呂側来ました」
「では、埋めるか」
「それでは、ぬるいです」
『窓からの景色』
窓のふちの、この棚は、何ていうのかな?
よく、鉢植えの花が飾られていたり、猫がまどろんでいたりする、奥まった窓枠の手前についている棚みたいになったところ。
前から気がついていた、あそこは誰にも内緒のティーパーティをするのに絶好のポイントだって。
オヤツを食べ過ぎって、いつもお母さんに怒られるけれど、お出かけ中の今が計画を実行するチャンス。
窓辺にお菓子を並べて、ジュースは、後が残らないように、コースターを使うのも忘れない。このクレバーさが成否を分けるのだ。
そうして、つかの間の充足を満喫していると、玄関を開ける音がーー、もう帰って来た!
想定よりもずっと早い!
でも、大丈夫。
サッとカーテンを引くだけで、全てを覆い隠す。
どう、この完璧な作戦は。
「外から全部、見えてたわよ」
お母さんが腰に手を当てて言う。
しまった!
慌てるボクに、お母さんは、ニッコリ微笑んで。
「さあ、何を食べたのか、包み隠さず白状しなさい」




