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テーマ『ガラスの小瓶』
「とれなくなりました」
見れば、人差し指をガラスの小瓶に差し込んで、プラプラさせている。
「また、この子は…」
まあ、気持ちはわかるけど。
「先輩、とってとって」
「ごめんね、私には、指をくわえてみている事しかできないの」
「うまいこと言ったつもりですか」
「まあまあ、前向きに考えてみましょう、その状態でこそ出来る事が、きっとあるわ」
「じゃ、えっと、サイレンサー、バン、バン!」
「それ、銃声がしたらダメでしょ、ふふっ、でも、面白いわ」
「えっ、えへへ、そうですかあ」
「とっても面白いから、もっと増やしましょ」
「やめっ、先輩」
「さぁ、五本の指全部にはめてみたわ、どうかしら」
「シクシク、フレディです、エルム街から来ました」
「何てこと、こんな悲しい化け物を生み出してしまったなんて」
「ちょっと先輩!、もうっ、今夜は、私の夢を見てくださいね」
あーちなみに、この小瓶は、アホの子の思い出というラベルを張って、飾っておいた。




