36/92
テーマ『ガラスの小瓶』
「みてみて、賞味期限が2年もあるよ、このヤクルト」
――――――――――
「ねぇぇ、私、お客さんだよ、何か出してー」
「ほれ、ワンカップ、ワンコインね」
「ちょっ、酷くない、出して、早く、出して」
「えーっ」
「見て、こんなに可愛いのに、可愛そうでしょう、出してよう」
「もう、しょうがないなー」
「わーい、良かったね、ワンちゃん♪」
――――――――――
ミステリーは、無理かなあ。
ハンカチにくるんで密かに持ち込んだガラスの小瓶だなんて、絶好のシチュエーションなのだけれど、残念。
だって、ここで、これから起こるのは、服毒事件なんかじゃなくて、無差別テロ、なんだもの。
ウフフ、こんな小瓶でも、この教室にいる人たちくらいなら、十分すぎる量のバニラエッセンス。
さぁ、生殺しだ!
ワンコイン → ワンコ、イン → わんこが、ビンにINしてます。




