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テーマ『持ち帰り専門店』(ロングバージョン)
前のページと同じ落ちの話を、長くしてみたものです。
「いつか移動販売店を開くよ!」
楽し気に語る彼女。
「持ち帰り専門はコスト削減が狙いだけど、どうせならキッチンカーにするの、ふふ、夢が膨らむ」
「何の店?」
「大事なのは、ライバルがいない事、その上で、食指が動き、恒常的に売れる物ね」
「例えば?」
「コーンポタージュスープ、洋食なら何でも合うし、単品でも、朝昼晩もOK、みんな好きで、日常的でありながら特別感もある、これしかない」
「ふむ」
「使い捨てじゃない密封容器を用意して、蓋に企業広告を入れ、その広告料で器代は賄う」
「ほう」
「器を持参したら割引ね」
「面倒がられない?」
「そこは、器を最後にぬぐうパンをおまけする事で楽に洗える様にして、さらに、移動販売を活かし、こっちから近くに行き緩和する」
「なるほど」
「他に何か意見や要望ある?」
「持ち帰り専門店だよね?」
「うん」
「スマイル、下さい」
「えっ、そっ、その件に関しましては、いったん持ち帰って検討いたしたく…」




