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ショートショート作家とは
テーマ『真夜中のコンビニ』
私には、人と違う世界が見えている・・・、と思う。
ありふれた物、ささやかな日常、そこに映るものが人と違っているらしい。
深夜のコンビニ、並ぶ品物に、魔法の言葉を見つけた。
それは、コーヒー!
夏、涼を感じ、木枯らしの下、温もりを感じる。
変わらぬ言葉というのに。
これは良い物を見つけたと、ご機嫌で手に取り、レジに向かう。
そんな私を信じられないものを見る様に、カウンターの向こうで絶句する店員さん。
「あのぉ、お会計をお願いしても?」
かけた声をきっかけに、打って変わって店員さんが叫ぶ。
「見てないんですか、強盗が金を奪って逃げていったんですよ!」
え・・・
全く知らなかったあ!
えっと。
「お互い無事で良かったですね。」
にこり。
「えっ、そうですね。」
つられて店員さんも、にこり。
場が和む。
「お会計ですね。」
コーヒーを手にする店員さん。
帰り道、ふと心配になる。
お会計してくれたの、通報を済ませた後だよね?




