第4話
ようやく始まった戦闘シーンです。
第4話
エグゼイーターとは、全高50メートル近くある巨大な二足歩行型ロボットであり、その外見は曲線を多用したデザインをしている。
非常に人間に近いフォルムをしていますが、人間で言う頭のパーツは存在せず、両肩の間には首の代わりになだらかな盛り上がりとカメラの様に見える頭部らしき部位が存在します。
現在世界各国で5機のエグゼイーターが確認されていますが、その内の一体すらもいまだ撃破を確認できず、その全てが4年前より数を減らす事なく我々人類の天敵として君臨しています。
そしてまた、選ばれし者の出現以前に現れていた量産型ロボットは「ライフイーター」と呼称されており、これらの機体は「エグゼイーター」に比べ、若干小型で30メートル程のサイズとなっています。
また、それぞれその機体内に多数の武装を搭載されているとみられ、肉弾戦のみならず火器による攻撃も確認されています。
しかし、これら二種による連携した戦闘は確認されておらず前者は前者同士、後者は後者同士での共闘のみを確認されている。
そして、両者は共に人類への徹底した虐殺行為を行うことが確認されています。
[ 以上、"ジェノサイダー"活動分析報告書
No.●●●4
報告者:幾世 大道 ]
私の視線は空高い所にあり、空と地面の交互に見ている。
ふと、自分の腕を上げてみると先程自分の半身を包んでいた巨大な掌がこちらを向く、さらにそのまま見覚えの無い自分の腕が後につづき自分の思いのままに動く、そのまま辺りを見回す。
遠くにガラス張りのビルが見える。
それを注視すると突如ビルが拡大表示され、ビル一面のガラスに自らの姿が写り込む。
それは見慣れた私の姿からは程遠い、鋼鉄の人類の天敵に良く似た姿をしていた。
さらには、写り込んだその自分(?)の姿に迫るものがあった。
それはいくつもの雲が描く線であった。
次の瞬間それらの雲が破裂した。戦闘機より放たれた空対艦/地ミサイルであった。
それらミサイルは、本来は新型国産空対艦ミサイルとして開発された物であったが、対虐殺者戦への備えとしてこの国で急遽改良、配備された対ロ装備品(対ロボット装備品)であった。
それらが正確に目標に向けて放たれ炸裂した。
しかし、その全てが私の身体に接触する前に爆散し、ほんのわずかな欠片が虚しく私の身体に当たり乾いた音を出す。
それら全ての状況に私が驚愕していると、視界の右上にとある表記がされているのを見つけた。
私が注視するとそれは先程のビルの様に視界中央に見やすく表示された。
"プラズマフィールド"
母国語しか扱えない私に対して、非常に有り難い事に片仮名で書いてあった。
そしてこの、プラズマフィールドとやらが私の身体周囲に展開して先程のミサイルを防いでくれた。
と言う認識でいいのだろうか...
等と、自分が置かれた状況の把握に努めていると"敵"からの第2波が飛んできた。
しかし、結果は変わらず私にダメージを与える事も出来ずただ私の身体を朱色に照らすだけであった。
第二波を防いだのもつかの間、私の周りにいくつもの敵が囲っていることを視界に現れるモニターの1つが示していた。
空に陸、その2つは既に敵の手に落ちていて私にいて如何なる自由も与えまいと必死に意思表示をしている様だった。
連続して起こる事態の数々に対応することすらできず、木偶のようにその場に立ち尽くしていると遂に敵からの本格的な攻撃が始まった。
一番手は先程と同じように、航空戦力によく空爆であった。
しかしその規模は、先程の比では無く辺りに存在した建物はその余波で全て吹き飛び辺り、辺りは見通しが良い平原となりつつあった。
そこに訪れた第2陣の砲撃群、それらは全て私の頭上を目指すように飛翔し炸裂する。
中にはミサイルのような物も飛んできた。
胸、肩、肩甲骨付近、そして頭のの周りを砲弾の爆裂が包囲し私の鳩尾より上が敵から見えなくなる。
そこへすかさず地対地ミサイルが私の足にも殺到する。
こうして私は、身体の至る所を敵の猛攻に晒されて動けなくなる。
そして全ての攻撃が終了し、辺りに舞う埃や煙が晴れた場所に立っていたのは、先程と何一つ変わる事のない私の身体であった。
膨大な火薬量はプラズマフィールドの処理能力を一時的に超え、いくつもの被弾が表示されたがその身体はたった一つの傷すら見当たらずただ始まりと同じ姿勢で立ち尽くしていた。
しかし、私の内心は既に憔悴仕切っていた。
ただでさえ、目の前にエグゼイーターが現れただけでも大事だと言うのに気がつけば自分がそのエグゼイーターになっている、更には敵からの総攻撃を全身で喰らい目の前すらもよく見えない。
おまけに先程の走馬灯だ。
あそこだけで、自分の精神面での許容値を大幅に削がれ、すでに私はいつ倒れてもおかしくなかった。
今日一日でこれだけのことが続いたのだから疲れもする。
正直、日々の日常にすら疲れ果てていた私なのだから、もうどうにでもなれ、いっそ殺して楽にしてくれとすら思っていた。
しかし、いくら攻撃を喰らえども痛みも感じず目に見えたダメージすら入っている様子は無い。
早く終わって欲しいとは思うが、この調子ではいつ終わるかもわかったものでは無い。
どうしたものかと憔悴しきった頭で懸命に悩んでいると、視界の隅に何かが写っていた。
それに視線を合わせるとそれは視界中央に広がり何かのリストを私に提示する。
「これは?」
「......!」
間違いない、このリストは今の状況を打開するのに最も適した選択肢を提示していた。
自分でも何故思い付かなかったのかと驚くほどだが、そのような事はこの際どうでもいい。
今はただ、この状況から助かる為の手立てが欲しかった。
そして私は、表示された選択肢の全てを選んだ。
自分が歩んできた人生の全ての疲れから解放してくれる、画期的な手段をその時の私は、躊躇なく選んだのだ。
自衛隊側の使用兵器の名前なども、細かく書いたほうがいいのでしょうか?