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正義のHEEL  作者: include
人々は、動き出す
23/31

第4話

牛歩ですが、とりあえず書き上げた分を...

第4話

端的に言ってそこからの生活は地獄であった...


されども、状況に甘えて何もしない等と言う選択肢は存在しなかった。


何よりそれを選ぶ事がどれだけ大事に至るかと言うことは容易に想像する事が出来た。

故に、私は只ひたすらに喰いついて行った。


私は、この場所での信頼を得る為にひたすらに地道に実績を積み上げて行った。


それこそ、本職である作戦指導とはなんらな関係の無い仕事も行えば、それだけでなく日々の所作ですらも気を使った。


そうした連日の積み重ねによって、周りからの私の評価はうなぎ登りとまでは行かない。


しかしそれでも、私を敵視してくる様な人間は次第に減って行き、少数ではあるが私に簡単な指導を求めてくる隊員も出てくる様になった。


こうした積み上げを行ってゆき、遂にその日がやってきた。


それは、私がここに来た最大の理由。


特脅班が作成し、事前に提出していた演習、「対ジェノサイダー想定大規模演習」である。


そのまま黙殺されるのでは無いかとも警戒したが、数日後には演習項目の内容への現実的な訂正要請が送られて来た事から、演習項目に対してに目を通してもらえている事も確認出来た。


そうして迎えた演習当日、私は勇足で指揮所となる天幕に向かう。


入り口に立ち静かに深呼吸、意を決して中に立ち入る。


既に中で待機していた士官達がその場から立ち上がり敬礼をする。


それを答礼で返し、案内された席に着く。


天幕中央にはテーブル一杯のサイズの地図、その周りに折りたたみ式のパイプ椅子が並べられている。


それを見てこれから始まる演習への緊張から、本日何度目かも分からない唾を呑む。


そんな湧き出た緊張をほぐすべく辺りを見廻す。



(?)



一瞬の違和感...


しかし、その違和感は直ぐに解消される。

何故なら、本来必ずそこにあるべきものが存在しなかったのだ。


私は、叫び出したい気持ちを抑えて傍に立つ士官に焦燥感のままに問いを投げかけた。


「無線機は何処だ!」

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