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正義のHEEL  作者: include
雑考した、その日
10/31

第1話

お久しぶりです。

とりあえず第二章を書き終えたので、また少しずつ放出しながら第三章を書いていこうと思います。

第1話

「あの『始まりの日』とネット上で囁かれる惨劇より既に一ヶ月、私は現場の○市に来ています。現地では、市街の復興はおろか、死者行方不明者の正確な数すらも把握できずにおり、住人は行政の対応に不信感を募らせています。」


「なお、今回確認されたジェノサイダーは自衛隊を撃退し、市街を焼き尽くすと再び海の中に悠々と姿を消し、その後消息を断ち、現在各種方面隊が必死の捜索を行なっているようです。」


テレビでは、リポーターが手前勝手な意見を好きなように述べ、人々の神経を逆なでしている。


私はあの日、街を焼き尽くすと再び海中に没しそのまま、気を失った。


そこまでは良いのだが、目を覚ますとそこはどこか見知らぬ海岸線でしかもあの日よりひと月も経過していた。


とはいえ、目を覚ました私は何処へと行く場所も無く、やる事も存在せずただひたすらにたどり着いた街の中を靄が掛かったようにぼんやりとした頭を抱えながら意味もなく散策していた。


ひと月ぶりに目を覚ました私の身体は、まるで自分のものでは無いように上手く動かず、見ている景色はまるでモニター越しにみる別の誰かの視界のように現実味を持たなかった。


燃え尽き症候群と言うのだろうか、歴史に残る大事を成し終えた今の私は、なにかを成そうとする意欲が起きず、かといって帰るべき場所も見つからずただひたすらに重い身体と歪む思考をぶら下げてひたすら意味もなく街中を歩き続けていた。


ふと視界の端に何かが映る。


それはいわゆる募金活動というやつだ。 私はその集団の前に歩みを進め、おもむろににポケットに何故か入っていたサイフを取り出すとそこに収納されている紙の束を全て慣れた動作で箱の中に収めた...



・・・・

いや、まて!私は今何をした!どうして私は見ず知らずの人間の為に自らを犠牲にしているんだ!

もうすでに私を縛るものは無く、ましては私は人間を滅ぼす事ができる力を得たと言うのに。 何故まだ私は下らない人助けに身を捧げようとしているのだ。


なのに、まるでそれが当然の行いの如く私は自然に、私自身の意思など介入する暇なくそれは行われた...


私は集団の前からふらつく足で離れながら頭を強く抱えながら苦悶する。


その様子を遠巻きに眺めながら、恐る恐る声をかけてきた女性がいた。


「大丈夫ですか?」


彼女は私の事を心配しながら声をかけてくる。私が問題ない事を辛うじて伝えると、飛び切りの笑顔で声をかけてきた。


「ご協力、ありがとうございます‼︎とても...とてもかっこよかったですよ。よろしければこちらをどうぞ!」


彼女がそう言って差し出してきたのは真っ白な安っぽいプラスチック製の羽根であった。 その羽根は、いくつかある復興支援募金の中でも最も新しく設立されたもので、ジェノサイダーの襲来に際して設立された復興支援に協力した者の証明として渡されるものであった。


今までは、駅前などで細々と行われていた各種共同募金の一種であったが、今回のエグゼイーター襲撃に際して一気に国内で活発化した運動であった。


ふざけるな! こんな笑い話があるものか! 私が行った破壊活動の復興支援に私自身がその支援として時化た金額を募金して誰かに感謝されている。 素晴らしいマッチポンプもあったものだ!なんだったら今すぐ被災現場に向かってあの化け物で復興支援を行ってやる!


私が静かに憤っているとふと、見つめ直した自らの行いに何故だか恐怖を感じ始めた。呼び起こされた恐怖はとどまることを知らず、私は自らが行った一連の凶行に吐き気すらも催しながらその場から走り去った。


突如としてその場に残された女性は呆気にとられて暫く私が駆けて行った方向を見ていたが、直ぐに何事も無かったかのように元の運動を始めたのであった。


気持ち悪い、 気持ち悪い、 気持ち悪い。


何故私はあのような事を行なったのか、理解が出来ない。


全くの無意識で、自らの意思とは一切の関係なくあの凶行を行なっていたのだ。私は街中を掛けながら顔を歪め、脂汗を流し、ひたすらに自問し続けていた。

残念ながら、今回の章もロボットは全然出て来ません。

というか、正直あまり盛り上がらない章なので結構退屈してしまうかも知れませんが何かしら手持ち無沙汰になった時にでもご覧いただければ幸いです。



第三章からようやく本格的な戦闘を開始するのでよろしくお願いします。

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