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8.侍女で影武者で護衛
ー1週間後ー
「伯父様の処遇が決まったわ」
彼は、王族から除名されることになった。やった事がやった事なので当然の事だ。むしろ命があっただけでも…と彼女は思った。
「今後は、騎士団や兵士の育成をしてもらうわ」
「普通は遠い地へと追放しますよね?」
「そんな事したら、センティーレお姉様が悲しむわ」
権力の横暴だな。
因みに彼に従った者たちには「次に同じ事をしたら、自らの命は勿論の事、一族の命もないと思いなさい」と姫様は言い、半年間の減給で済ませたそうだ。
「それで、騎士団長の後任は誰にしたのですか?」
姫様に食後の紅茶を出しながら言った。
「後任はシードにやってもらうわ。私の護衛は貴女がいれば問題無いしね」
「私は侍女ですよ?護衛は致しません」
「私より強いのに?」
「それなら姫様が私より、強くなればいいのです。だから今日は武術の訓練に行きましょうか?」
逃げようとする姫様の腕を掴んだ。
「やーだー。行きたくないー」
今日もこんな日常を送る彼女たちは平和です。