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25.踏んではいけないもの
モーブさんは彼女達を送り届けた後、一度エランジェルイト国に戻り、センティーレ様に数日、錬金国家に滞在する事を伝えた。
そして、少しでも援軍が欲しかったモーブさんは、エランジェルイト国の冒険者ギルドでキャトスさんに指名依頼を出し交渉したのち、一緒に連れてきたようだ。
「キャトスさんがいる理由は分かりました。ですが何故、姫様がここにいるのですか?」
「モーブが能力を使う瞬間、俺の腕を掴んできたんだ」
「全く、姫様は無茶を…。どうしてこのような事をしたのですか?」
「あの男爵の浮気相手かと思ってとっさに腕を掴んだのよ」
「そんなわけないだろ?」
キャトスさんは姫様を睨んでいた。何か踏んではいけない地雷を踏んだみたいだ。
「…ごめんなさい、キャト…」
「少し外の空気を吸ってくる」
キャトスさんはそのまま退出した。
「あやつの父親は浮気相手と蒸発したのじゃ」
「僕も今のはさすがにマズかったと思う」
「…もう一度ちゃんと謝るわ」
姫様が謝る時、彼女も一緒に行こうと思う。結果的にとはいえ、主人である姫様の失言を誘発させてしまったのだから。




