7.騎士団の処遇
「ところで、一緒にいる娘は誰だ?どことなくクリスに似ているような…」
まずい…誤魔化さないと
「私の友人です」
「修行をサボって街に繰り出してた時のか?」
「…はい、そうです」
「それで名はなんと申す?」
ここで本物の姫様が答えた。
「ルーシェと申します」
「光の神にあやかって付けられた名だな」
「そうです」
「お父様、私とお姉様はこの方に助けて頂きました」
「何か褒美を出さないとなならぬな…」
「褒美はいらないです。その代わりこの件に関わった者達の身柄を、クリス様に預けてはもらえないでしょうか?」
「どうしてだ?」
「あの方が法により裁かれれば、わた…クリス様達が悲しみます」
「それはできぬ。法に基づき裁かなければならない」
法で裁かれたら騎士団全員、死罪確定である。
「それならば、今ここでおと…王様を拘束し、わた…クリス様を王女にします。クリス様それでよろしいですね?」
姫様の言葉は今の気持ちを素直に言っている。仕方ないな…言う事に従う事にした。
「ええ、仕方ありませんわ…。お父様お覚悟を」
彼女とルーシェは、戦闘態勢に入った。この場には、彼女、姫様、センティーレ様と王様の4人しかいない。
兵士は皆、騎士団を牢へと運んでいて今は誰一人としていない。護衛の男も兵士の手伝いをして今はいない。やるなら今しかない。
センティーレ様は彼女達の言動に驚き、困惑していた。
王様は「この娘は、一度言い出したら聞かないからな」と呟いき、ため息をついた。
「仕方ない。これより騎士団をクリスの指揮下に置く。これからは、お前にも色々と責任がついてまわる。わかったか?」
「承知しました」
彼女がそう言うと、ルーシェは笑顔になった。センティーレ様は安心したのか、声を出して泣いた。