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22.新たな命令
「あの魔道具は特許の申請を行なっていなかったので、技術が漏洩するのは非常に不味かったものですから」
「…それで、彼女に依頼したと?」
「はい」
本当に特許の申請をしていなかったので、これを理由にする事にした。
「分かったわ。それで、セブネスはどこの貴族なの?」
「彼女との契約で言えないです」
「大会で私は優勝したのよ?貴女を好きにできるの」
「例えばどんな事をするのですか?」
「…拷問とか」
「優しい姫様は、そんな事致しません」
姫様は彼女の脇をくすぐり始めた。
「ひ、姫様、おやめください」
「言うまで続けるわよ」
くすぐりは、30分続いた。姫様が疲れてやめたので助かった。正直笑い死ぬかと思った。
落ち着いたところで姫様に謝罪とお礼を述べた。
「今回は実家のお家騒動に巻き込んで、ご迷惑をおかけしました。それと、彼女を助けに行って頂いて有難うございます」
「…これ以上は追及しないわ。今度からは何かあったら必ず私に相談しなさい!命令よ!」
真剣な顔をして言った姫様の言葉に、彼女は笑顔で答えた。
「はい、姫様」