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夢の世界で侍女として生活する私  作者: Section chief
3章
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3.サリシュ家の長女

仕事に復帰した次の日、彼女()は実家に連れ戻された事になっていた。私は日課の朝の散歩に出ていた為、難を逃れた。


変わりに連れ戻されたのは彼女(自分)を模した、自動人形(オートマタ)である。6人の兄があまりにも頻繁に城に出入りするので、相手を自動人形(オートマタ)にしてもらおうと考え、作っておいたものだ。

あと、姫様になっている時に彼女()として動いてもらうためでもある。



盗んだのは彼女()の父の手先であるのは間違いない。

彼女()は故郷へと戻り、化粧をして声を変え大会に参加する事にした。


今は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だから一応参加資格はある。彼女(自分)を賭けた大会に自ら参加するのもおかしな話だが。


参加受付の所で身分を証明する為に、冒険者ギルドのカードを見せた。受付の男は驚いていた。小声で脅し、参加する事にした。



「参加させなければ、分かっていますよね?大会規定には、差し出される本人が参加してはならないってないですよね?名前は『セブネス』で登録しておいて下さい」と。



父の耳には入ると思うが、彼女()が参戦する事は認められると思う。

認めなければ、自動人形(オートマタ)ナナ・サリシュ(自分の娘)と偽った事、それが盗まれた物である事、誘拐してまでこの大会を開催した事などなど、色々な悪事を追求して、ニイ兄様をすぐにでも領主にするつもりだ。



受付をすませ控室に向かおうと歩きながらそんな事を考えていると、後ろから声をかけられた。



「ちょっと待って!」




姫様と騎士団長だった。

彼女()の心配をしてここまで来てくれたのだろう。嬉しくて泣きそうになったが、今正体がバレるのはまずいので、堪えた。



「私の名前はクリス・アンセマム。この場にいると言う事は貴女、王族ないし貴族なのかしら?」

「はい。セブネスといいます。理由があって家名を言う事が出来ませんが…」

「貴女にお願いがあるの」



姫様は参加した経緯と、騎士団長の他に、【錬金国家の名誉貴族】と【アズモディア国の姫】が協力者である事を教えてくれた。そして最悪の場合、自動人形(彼女)を攫うことも。



「報酬は払います。だから私達に協力してください…」

「クリス様にとって彼女はどんな存在なんのですか?」

「私の侍女で、大切な…親友。姉妹と言ってもいいぐらいの存在よ…」

「…報酬はなくても構わないです。彼女()も最初から(彼女)を助け出す為に来たので」



嘘は言っていないし問題ないだろう。あとでバレても問題がないように言葉は選んだつもりだ。

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