5.魔法の反射
「え?」と言い姫様は動揺していた。
彼女なら躱す事ができる。
それと姫様の力量なら、相殺する事ができるだろう。だが、姫様は動揺しているため、彼女が躱せば、まともに跳ね返ってきた魔法が姫様当たってしまう。
王宮魔導師の法衣は魔法のダメージをカットしてくれる効果があるから、無傷とまではいかないが耐える事はできるだろう。だが万が一の事がある可能性があると思うと…
彼女は姫様の前に立ち、魔法を全て受けた。思っていた以上にダメージを受けた。全身が痛い…。
どうやらあの盾と手甲には魔力を増幅させ跳ね返す特殊効果があるようだ。
姫様は急いで彼女に近づいてきて、回復魔法をかけた。
「回復が間に合わない…。棄権するわ!誰か何とかして!」
姫様は泣きながら叫んだ。
「私のせいで…」
姫様が呟いたのが聞こえた。
『姫様のせいではないです。私が前の試合と同じようにしてればこんな事にはならなかった』
と言いたかったが、声が出せない…。
意識が遠のいていく…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
気がつくと、私の部屋にいた。フリーターをしている私の部屋に。
あの後、彼女はどうなったのだろうか。
何度眠ろうが、向こうへ行く事はなかった。