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3.言葉遣い
闘技大会当日
彼女は姫様と全く同じ格好をし、姫様と共に王座の前にいる。
「姫様が二人じゃと⁉︎」
大臣が驚いている。
「うるさいわよ、大臣」
「それではお父様、行ってまいります」
「クリス、言葉遣いには気をつけるのじゃぞ」
「分かってるわよ」と姫様は言い、「わかりましたわ、お父様」と彼女は言った。
「…瓜二つじゃし、声まで同じにするとはの」
「王様はどちらが本物の姫様か、おわかりなのですか?」
「勿論わかっておる」
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「お父様のあの言葉は、あんたに言ったんじゃないの?」
「私と姫様に2人に言ったのだと思います」
彼女に対しては、もう少し姫様の言葉遣いに近づけろって意味で、姫様に対しては、言葉遣いを直しなさいって意味で言ったのだろう。
彼女の言葉遣いは丁寧すぎで、姫様の言葉遣いは少し乱暴だから、親しい人間にはバレる。
だから、王様のあの言葉は2人に言ったのものだと思った。