9.安全に移動する方法は無い
数日前からセンティーレ様とモーブ様がエランジェルイト国に来ている事を知っていたため、モーブ様の力を借りる事にした。
「モーブさん、申し訳ございません。センティーレ様とのデートの邪魔をしてしまって…」
「気にしないでくれ。話を聞いたセンティーレも何かできないか悩んでいたようだし、君達に協力できるのなら光栄だよ」
「モーブ男爵、アズモディア国のどの辺に移動できますか?」
リリス姫は少し怖い表情をしている。
「アズモディア国だと、近くの森か冒険者ギルドしか行けないな。冒険者ギルドは占拠されてそうだから、そうなると森だけだね」
「あの森はエランジェルイト国の姫様には厳しいだろよ」
鬼の少女、ガオはそう言った。旅立つ直前に彼女達は目が覚め起き上がってきた。姫様は驚いていたが、魔族だから人間基準で考えてるのがそもそもの間違いだ。
「ガオ、それってどういう意味?」
「姫様があの森を切り抜けるのは確かに厳しいかと」
ヴァンパイアの女性、ピレは彼女の方を見て言った。
「そう言っている貴女は大丈夫なのかしら?魔力量が他の人よりも遥かに低いみたいですし、姫様より弱いのでは?」
「ホースタイガーの群れぐらいだったら、何とかできますよ。実家にも数匹いましたし」
「ホースタイガーってAランクの冒険者が複数人で何とか勝てるっていうあの魔物⁉︎」
「そうですよ。だから姫様を守りながら戦闘はできません。自分の身は自分で守って貰う必要があるのです。正直に申しますと、姫様は足手纏いです」
「…何と言われようと私も行くわよ。貴女だけ危険な目に合わせたくないもの」




