33馬鹿な冒険者と馬鹿を使いしくじった刺客
キャラバンの人達との食事と有意義な情報交換をして、宿をでようとすると父から刺客だと念話が入った。
(近くに3人、2人は少し離れた所に居るね)
(父さん、あの時に殺気を出していたのは、何人でしたっけ?)
(10人だ、おそらくあの5人の冒険者は、あの時に殺気を出した中にいなかったのだろう、
彼奴らの殺気は押し殺した殺気、神殿前で感じた馬鹿みたいに垂れ流した殺気ではなかった)
鎧下の頭の部分を被り、革の帽子(補強付き)にゴーグルとマスクを付けマントのフードを被って宿を出た。
(主人、屋根の上とその向こうに並行した道に我らと同じ速度で移動する足音が在ります)
(これで5人だ、残りの刺客だね)
(主人、前からも5人が近付いて来ます)
(殺気は無い、殺し屋では無いな)
(あいつらの顔見たら何で近づいて来たのか分かったわ)
「よう、こんな夜更けにデートか、俺達も混ぜてくれよー」
「男は何処かに行っていいぜ、女は駄目だがな」
「オーオー逃げないのか?、勇敢だねー」
「兄貴、邪魔だからボコボコにしてもいいですか?」
「仕方がない、殺すなよ、動けなくするだけだ、罪にしたくは無い」
「警告します、多勢に無勢の場合は、喧嘩を吹っかけた方が人数が多い場合、吹っかけられた方は相手を武器無しであれば殺しても罪にならないのは知っていますか?」
「何だお前、1対5の武器無しで、俺達に勝てるつもりなのか?」
「いいえ、2対5で、殺すつもりです」
ボコボコにすると言った男を指貫籠手の拳に有る補強部分で顎を殴り、後ろに回って顎を持ち反対の手を頭に乗せて指先をこめかみにかけ力を込めて素早く引き首を折った。
イリーナはそれを唖然と見ているリーダー以外の奴らを拳で殴り倒したいた。
「お姉ちゃん凄い、その勢いで兄貴さんもヤッチャッて、僕は倒れている3人、に!、とどめ、を!、刺しとく、か、ら!、はい、終わり」と、言いながら首を折って行った。
「兄貴さん、私に何か言い残す事はある?」
「助けてくれ、俺は頼まれただけなんだ、あんた達をここで足止めすれば金をくれるって、言われて、やっただけなんだ」
「あんたは馬鹿か、足止めだけなら、それだけを!、すれば!、もしか!、したら!、助かった!、のーーに!」と、言いながら殴り倒し、最後に首を締め折った。
(こいつらはどの道、準備の為の足止めだけが終わったら殺されてたよ、こいつらが馬鹿で良かった、刺客に準備の時間を与えずに終わらせられた、先ずは、クロ、ぬいぐるみモードで裏の路地に隠れてるのに張り付いて呪ってこーい)
とクロを投げた。
(私は下で武器を抜いてる3人を潰してくるわ)
(僕は先ずは、屋根の上で弓を構えた奴を、ほい、終わり、クロの回収に行ってきますので後はよろしく)
(はーい、相手の剣は鉄の剣だから問題無いわ)
(イリーナ、油断はするな!、殺し合いで相手を侮るな!、殺すまでは絶対にだ!、分かったな)
「はい!」
(分ったならいいよ、後、夜だ大きい声出すな)
僕は裏の路地でクロを黒刄丸に戻して装備して、倒れている男の手足を折り、足を持って引き摺りながら面通りに戻った。
(アースくん、忠告のおかげで助かったよー、こいつらね、魔剣の短剣を暗器にして袖に隠し持っていたんだよ、油断してたら刺されていたよー、ありがと)
(相手も馬鹿じゃ無い、殺す手段の無い奴を寄こさないよ、これで商人ギルドと冒険者ギルドのクズのお仲間が全員捕らえられたら楽なんだけどなー)
(足止めした奴は全員殺してよかったの?)
(頼んだのは刺客の誰かだよ、依頼元まで辿り着かない、それに此奴らみたいな奴が1番嫌いだ、都市の中にいて欲しく無い)
(なるほど、確かにいて欲しく無い)
「此奴らが、ガキが女連れてイチャイチャしやがって、お仕置きだー、とかだったら、1人ずつで来るならシバクだけ、全員一辺なら手を折る位で許すよ、モテない奴のひがみは仕方がないからね」
「さも自分はモテますて言っているのを分かってる?」
「お年寄りから子供までモテモテだよ」
「モテモテの意味が違う様な気がするけど、嘘では無いな」
「イリーナも欲望丸出しの男にはモテモテだね」
「嬉しくなーい、あの手の奴らは胸ばっか見るんだ、今日なんてゴーグルにマスクだよ、顔が全然見えないのにあの助平そうな顔、あーヤダ、体だけが目的の奴らはダーイ嫌い、アースくんはいつでも相談して、準備して待つから」
「何を相談するのか、何を準備するのかはどうでもいいです、死体は収納しましたから早くそいつを神殿まで運んで下さい、僕はイリーナさんと違って肉体派では無いんですから」
「エッ、私が引き摺るの?、これを?」
「危険承知で担ぐでもいいですよ」
「あっ、私以外の選択肢は無いんだ、分かりました引き摺って、私が!、運びます」
「よろしく、後、まだ気を抜かないで下さい、今日はもう門が閉まっていますから森へは行けません、宿屋には帰りません宿屋が危険にさらされますから、今夜は最悪だと神殿前での野宿です」
「了解、異論ありません、異論はありませんが料理は美味しい物を希望します」
「作らないよ、作り置きのハンバーガーでいい?」
「いいよ、大好物だから、飲み物付けてね」
刺客を引き摺りながら神殿まで来た。
警護に居た聖騎士が僕達に駆け寄って来た。
「アースくんだよね、こんな夜にどうしたんだい、ん?、イリーナ嬢が引き摺って来たその男は?」
「僕達を殺しに来た奴らの仲間です、尋問をお願いします、残りの殺し屋達は死体でしが、どこに置きますか?」
「夜だから端っこに置いといてくれ」
「後、僕のステータスの罪の確認をお願いします、罪はありませんね、イリーナも、罪の欄を見せといて」
聖騎士に2人で名前と年齢と罪の欄だけの簡易ステータスを見せた。
「はい、問題無しです、尋問と身元と依頼で動いたのか、依頼人の確認も聖騎士が責任を持って調査します」
「よろしくお願いいたします、あのー、今から宿屋には行けないので、端の方で良いので神殿前で夜営しても良いですか?」
「神殿地下の工房の控え室が空いています、そこを使って下さい、殺し屋に狙われたのなら使う理由になります」
「ありがたく使わせてもらいます」
「助かりましたわ」
控え室に入り、ドアを閉めた。
「ここなら宿屋よりは安心して休めるわね」
「おそらくだけど、もう奴らに殺し屋の駒は無い、問題無い範囲の嫌がらせや、悪口に悪い噂なんかで邪魔して来るはずだ、街の人達がはした金を貰い僕達を排除しにきたら、この都市での販売は終了だ、明日からは街の人達が馬鹿で無いことを祈るだけだ」
「・・・、その時は私がアースくんから肉を買い串焼きを作って売るわ」
「ハンター試験、頑張って、串焼きも誰かに教わって頑張って作ってね」
「えー、そこは、しょうがないなー、僕も残って頑張るよ、じゃないの?」
「イリーナが頼んでも甘えた考えの駄目な都市の市民は1度、どん底に落ちた方がいい、
いくら何でもこの都市をホームにした行商人が少な過ぎる、
ハンターも遠出の狩りをしようともしない、どの都市でも近場ばかりで狩りはしない、
ここも遠出して狩りをすればかなり獲物は豊富だった、それをせず近場にいる小物を罠で狩るだけのハンター、
どこがハンターだ、
グズばかりが残り、まともなハンターはまともな環境の他の都市に行く、
それをただ見ている、大人達、串焼きの販売に子供とお年寄りが笑顔で買いに来なければ、僕もこの都市を見捨てていたよ」
「やっぱり、串焼きを買いに来る常連さんの笑顔が、この都市の希望なのね」
「イリーナ在っての希望だよ、イリーナの故郷で無ければ、米を買ってすぐ移動してたよこんな都市」
「アースくん、そんなに私の事を」
「仲間じゃないですか、助けられるなら助けますよ、仲間ですから、それじゃあ先に寝ますよ、おやすみなさい」
「・・・、イケズ」




