3僕って凄い?とヤバイ感じのゴブリン
夕方近くに街道沿いの野営地に近づいた。
「野営地に動物、馬、馬車かな?、人も居るな、人数は8人、水の補給はしたいな、
野営地から離れた所に何か居る感じがあるな、ゴブリンか、数は固まっていてよく分からないけど10〜20、あっ、集団にまた合流した、10くらいか、最低でも20匹か、多いな。
今から逃げるには闇夜での移動になるな、夜行性の黒豹みたいな奴に不利な地形で襲われたくない、しょうがない襲われるけど木の上に陣取って迎え撃てば何とでもなるだろう、あの馬車の団体にも忠告だけはしとくかな」
アイテムボックスから大きめの鞄を出し、野営道具と防水の布の入った箱をインベントリから出し中身を鞄に入れた。
(タロとジロを理由に離れて野営しよう、あの集団と僕の存在は、もうゴブリンには気付かれてるみたいだけど、
僕が木の上に居て、弓で攻撃すれば僕を襲うのを諦めるだろう、
それでもこちらに近付くならタロとジロに牽制してもらって弓で減らし、盾持ちが居て近づいて来るなら、99個ある石を投げて盾を壊してから弓矢で倒せば安全だ、
ホブゴブリン居ても流石に厚い盾は持って無いだろう、
まぁ、ボブゴブリンなら木の上から弓矢が飛んで来て更に木の下に森狼が2匹居る所には、まず来ないだろう、まぁ来たら倒せばいいか、
幌馬車が在るから商人かな?、水汲みついでに一応は挨拶と忠告だけはしておこう)
野営地に着くと鞄を置き、タロとジロに荷物番を頼み、水場近くに止めた馬車の近くにある焚き火へ行き、
焚き火の番の人に聞こえる距離まで近づき、
「少し離れたあそこの森の中で野営しますが問題ありますか?」
と声をかけタロとジロが居るところを指差した。
護衛らしい男が「近くでもいいぞ」と言ったが、
「さっきから獣魔が何かの匂いを嗅ぎつけ、気の立ってます、警戒モードの狼の獣魔です、あまり近くは不味いですよ、
そんな訳でこちらには近付かないで下さい、
特定の範囲には入らなければ危険は無いですから、
水を汲んだら離れたます」
男は頷き「分かった、処で近くに魔物が居るのか?」
僕は頷き「居ますね、獣魔の反応を見るにゴブリン辺りだと思いますが、数は分かりません、
この辺りは夜に移動して逃げるより迎え撃つ準備をした方がいいですよ、
僕は木の上で寝て、木の上から弓や石で攻撃しますから問題無いですが、守る馬車が有る皆さんは守りきるしかないですから気を付けて下さい、
僕の方に魔物が来ても助けは要りません、逆に僕に助けを求めて来たら獣魔が敵とみなし攻撃しますから来ないでください」
男は「分かった、忠告を感謝する、そちらには近付かない様に皆に話しておくから安心してくれ」
「では」と言って僕は水場に行き、水を水袋2つに入れ、タロウとジロウのいる所まで戻った。
枝が上で横広がった良さげな太い木が見つかり、木の上にロープを使って登る。
上の登り邪魔な枝を切り、鞄から防水布を取り出し、敷き布と朝露避けの屋根代わりに上に貼った。
寝ぼけての落下防止に、腰のベルトにロープを縛り、上の枝にロープの端を縛った。
「よし!、ロープであまり動きは阻害されないな、鞄は収納して、マントの前をロープを出して閉じてー、これで良しっと、タロ、ジロ、何かが近付いたら教えてね」
「ウォン」「オン」
僕は干し肉と堅焼きパンと水で食事を摂り、下に居るタロとジロに猪の肉を切り分け、名前を呼びながら順番に与えた。
「じゃあ、寝るからよろしく、何か近付いたら吠えて教えて、お願いね」スヤスヤ
タロとジロも伏せて体を休めながら警戒を始めた。
夜中にジロの鳴き声で起きた、タロは一方向に唸りながら威嚇していた、マップと気配感知を使い周りを確認、今までに得た感覚センサーも使い確認した。
「チリチリに反応が有る、こっちに来てるな、森狼が居ても数が少ない僕の方から、とでも思ったのかな?、まだ遠いけど気配感知の範囲に入ったら威嚇ついでに気配と感覚を頼りに狙ってみるか」
気配感知内に入った奴から弓矢を構えて射る、射る、射る「ギャ」「ギャ」「ギャ」と聞こえ、少しして気配が3つ消えた、周りからギャーギャー聞こえ更に射る、更に5つの気配が消えた。
「意外と当たったなー、残りはまだ気配感知外で離れ過ぎてるな、あの鳴き声はやっぱりゴブリンかー、魔石をどうしよう、あっ、離れていく、暗闇の中、獲物までまだ距離が有るのに仲間がどんどん殺されてったら、そりゃー逃げるか」
魔物のいる感覚は水場近くに野営していた幌馬車の一行がいた辺りに移動した。
「ゴブリンども、今度は幌馬車一行に向かったな、
あっちの人も見た所、僕との戦闘で出た鳴き声か血の匂いで早く気が付いたみたいだ、
反応の遅さからみてレベルは低いみたいだけど音か匂いの感知スキルを持つ人が居たのかな、アッ、起きない人を怒鳴って起こしてる」
体に縛ったロープを切り、木をロープを使い静かに降りて隠密を使い、ゴブリンを追い、ゆっくり木に隠れながら近づいた。
途中で魔素になって消えたゴブリンの魔石を拾い、収納するとマップと気配感知ギリギリで戦いを観察した。
例の感覚は自分の危険な時のみらしく今は働かない。
幌馬車一行に多少のケガ人が出たみたいだが、ゴブリンは全滅していた。
「おかしい?すぐ逃げるゴブリンが劣勢になっても、何故逃げなかったんだ?、
まるで後がないみたいな感じだ、
何かに命令されていて撤退できなかった?、
もし命令で逃げられないなら、ゴブリンの上位種の命令ではあり得ない、進化種のオーガ?知性が有るオーガ、
まさか!、あっ、首の後ろがチリチリする、ゾワゾワも少し有るな、ヤバイな、まだ遠いけどこっちに近付いてきてる、急いで逃げないと」
寝ていた木に登り、防水布を固定したロープを切りそのまま収納。
木を飛び降りて、後から合流して来たゴブリンが来た方向と逆方向の元来た森に走り出した。
「後から来た奴らは先に来ていた幌馬車一行を偵察した上での襲う為に来た増援で、夕方来た僕の存在は予想外で更に僕に予想外に数を減らされたから失敗した?、
だとしたらボスは相当頭が切れる奴だ!、幌馬車の人も逃げないゴブリンを見て、統率者の存在に気付いたなら、すぐ逃げるだろう、気付かない様な馬鹿なら説明するだけ無駄だ、
僕はヤバそうな気配と反対の森に逃げさせて貰う、幌馬車の人達何とか逃げのびてくれよ」
僕はひたすら自分に言い訳しながら、危険な感覚から急いで離れた。
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他にも連載しているのでそちらも良ければ読んでください。