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29肉の販売開始と個人依頼を受けた殺し屋達

 次の日は朝から串焼きと肉の販売を開始した。


 列は1列にして串焼きを買ってから少し離れた所で肉を売る事にした。


 朝から並んでいたのは常連さんで、物々しい警備に驚いていた、だが刺客や危険を話すと納得していた、


 僕が「何回でも串焼き一本と肉は売りますよ」と伝え、


 ただし、常連さんの一回の肉の販売は重さを子供が200グラム、大人が500グラムまでにして、常連さんと一緒に来た知り合いは300グラムにした。


 初日は問題無く過ぎた。



 次の日、肉の販売を自分にもしろと喚き、引かれた線を越え入って来る客が現れた。


「なんであいつらだけに肉を売るんだ、俺にも売れ、あいつらだけ贔屓するな!」


「贔屓するな?、常連さんを贔屓して何が悪いんですか?、あなたは何なんですか、今までは全然買いに来ないでキャラバンが来て肉が市場に出始めたら買いに来る、


 あなたは今まで一度も串焼きを買いに来ていないのにおかしいでしょ、あなたまさか買い占め業者の回し者ですか、違うなら神像前で身の潔白を明かして下さい、出来ないなら・・・、


 この場で射ち殺します、


 立て札と聖騎士様から警告は受けているはずです、警告を無視した場合は、私は殺す権限を領主様と大神官長様に貰っています、


早く潔白を証明して下さいでないと、矢が刺さって死にますよ」


 男は慌てて逃げ出した。


 すかさず聖騎士が取り押さえ、引っ立てて行った。


「お騒がせしましたー、販売を再開しまーす、アッ、いま列から離れた方、神像前に行って宣言して下さい」


 するとまた逃げ出し聖騎士に囚われていた。


「常連で無くて買えない方も常連さんの知り合いなら買えますから常連さんと一緒に買いに来て下さい、肉は沢山あります、後、買い占め業者の関係者には絶対に売りたく無いので周りの人達はよく確認してから連れて来てくださいね」


 皆んなが頷き話し始め新たに並んだ人にも伝えていた。


 これで買い占めをしている肉屋から買う者は殆んど居なくなっただろう、ザマアミロだ。


 時間は過ぎてそろそろ都市区と神殿区の門が閉まる時間に近づき並ぶ人が居なくなってきた。


(後は刺客だね、この場に来たら殺し屋だけど、この間来た奴らの気配は無いの?)


(無いな、しかし何で罪がステータスに載る世界で殺し屋が成り立つんだ?)


(親代わりの神官様の話しだとなんか依頼に関して抜け道があるらしいんだ、詳しくは知らない)


(後で娘に聞くか、噂をすれば何とやらだ、最後尾に1人並んだぞ、ん?、次々と並んでる、今日の最後に並んだ後ろ5人がこの間の商人ギルドの職員をはめた時に殺気を出していた奴らの一部だ、


 成る程、刺客達で集団を作り殺しに来たか、どうゆう風にして来るか見ものだな)


 最後の5人になり、僕が「次の方線の前までどうぞー」と言うと、突然後ろの2人が前の2人を羽交い締めにして線の中に入って来た、


「オイ、こいつらを殺されたくなかったら肉をこっちに持って来い」残りの1人が線の中に入り「お願いします、この2人を助ける為に言う通りにして下さい」と涙を流す演技で僕に頼みながら近付いてきた。


「あの〜、三文芝居は結構です、あなた達は列に並びながら集まって話してたでしょ、警告通り線の中に許可無く入りましたから攻撃とみなします」


 弓矢を構え先ずは涙ながらに演説していた奴の両足を射抜き、5人全員の足にどんどん矢を当てて動けなくして行く。


「俺は人質だぞ、何で攻撃するんだ」


「いや、だったら何で後ろに回された手にナイフを持ってるんですか、言い訳は間抜けな証拠がない時に言って下さい、刺客さん」


「ちくしょー、なぜ分かったんだ、しかしこれで終わりと思うなよ、俺達の「バックには偉い人が付いてるんでしょ、それはもう聞き飽きました、バックが偉かろうとそうでなかろうとあなた方は終わりです、


 街の人達も立ち上がりましたし、もう何をしても逃げられませんよ、逃げても受け入れてくれる都市は在りませんから、楽してのボロ儲けはもうお終いなんですよ」


「何なんだお前は、お前には何の得があるんだ、何もならないだろう、何で危険を承知で我々の邪魔をするんだ、クソッ、訳が分からん」


「何の得も無い?、有りますよ、皆んなが笑顔で買いに来てくれます、


 曖昧な時間からの販売なのに文句も言わず笑顔で嬉しそうに買いに来てくれます、


 肉もみんな仲良く知り合いと笑いながら買いに来てくれます、


 それだけで充分命を賭ける価値が有るんですよ、我々ハンターや行商人にはね、


 あなた方みたいにお金だけの人には分かりませんよこの幸せは、あなた方みたいなクズにはね」


 手に持っていたナイフが袖の中に隠せる隠し武器だった事で、聖騎士に危険人物とみなされて両手を何箇所も折られ抵抗出来なくされてから尋問室に連れていかれた。


 途中で僕に対して狂ってるとか偽善者やら言っていたが、僕が「偽善ではありませんよ、誰かが得もしないですが、誰も損はしていませんし、動機は単に僕の自己満足ですから」と言ったら、何も言わなくなり引き摺られて行った。


「イリーナさん、あの人達はどんな刑罰になるんですか?」


「・・・、冒険者ギルドで受けるなと言われている個人から討伐依頼を受けた冒険者だと思うから、現行犯で捕まったら尋問され依頼主と依頼内容を喋らされるわ、


 アースくんみたいに討伐対象に非がない場合は、彼らは2度とどんな依頼も受けられなくなり、受けたと同時に傷害の罪が付き、なおかつ傷害の罪が付いたらスキルを失う契約を結ぶ事になるわ、


 個人依頼を受けて捕まれりそれでも冒険者を続けるなら、冒険者ギルドに獲物を討伐して安い値段で売るか、ダンジョン内の宝箱の中身を神殿でお金に変えるかしかないわね、


 つまり、資金が無くなり野たれ死にするか、野盗に成って相手に傷付けた時点でスキルを失い襲った相手に殺されるか、どうやっても破滅よ、


 雇ってもらえるなら冒険者を辞めて都市の管理ダンジョンの下働きに成るわね、雇ってもらえればだけど、


 あいつらみたいにアースくんに非がないのを知っていて依頼を受けた馬鹿なら殺人の罪で重犯罪奴隷行き、まぁ何方にせよ、すぐに居なくなるわ」


「あの刺客達は逃げられたらどうなりますか?」


「悔しい事に無罪になるわ」


「逃げ切る方法が有ったんですかね、聖騎士が守る神殿の前なのに?」


「聞いた話だと、あの手の奴らは最悪の逃げ方をするらしいわ、ターゲットを刺してすぐに顔を隠し催涙煙幕を使って周りの被害を関係無しで逃げるから下手に追えないらしいのよ、催涙煙幕は魔物には効かないけど人には効くから、


 催涙煙幕は胡椒や唐辛子と同じ扱いになって罪にならないらしいの、だからバンバン使って逃げるの、追えば確実に苦しむ被害者が出るし後が大変になるわ、


 今回みたいに逃げる前に逃げれなくするか、周りの被害覚悟で追いかけるか、でも逃げに入られたら間違いなく周りの被害が酷くて逃げられるわね」


「成る程、なら僕の対応は良かったって事ですね」


「そうね、でも、警告して返答を聞かずに素早く全員の足を矢で射抜き、更に足を動けなくなるほど攻撃を続けるとは思わなかったわ、対応としては正解ではあるけど」


「あいつらが最後に並んだのは周りにケガ人を出さない為だったんですかね」


「そうね、討伐対象以外にケガ人を出したら依頼云々は関係無く、間違い無く傷害の罪になるもの、」


「なるほどー、個人が冒険者に殺しの依頼出して殺してもらう、冒険者も依頼人も捕まらなければ罪にならない、なぜ都市内で殺し屋が成立するのか分かりました」


「嫌な話しだけど依頼料が高いのと依頼人が上手く騙すらしくて馬鹿な冒険者は受けて上手く逃げきるからから、馬鹿が減らないのよねー、


 処で明日はキャラバンと街の肉屋との契約日だけど、どんな感じなのかしら」


「さぁ、買える事は買えると思いますよ、ただ、肉は売れないので売るために何としても僕を消しに来ると思います、ですから今日の夜からは森での野宿です、


 都市内は泊まっている宿へ襲撃され宿に被害が出る可能性が有りますし、タロとジロの護衛できる浅い森の方が安全です」


「森の方が安全な都市かー、御飯は美味しくていいのに、馬鹿が力を持った困った都市だね、ライスは」


「天気は良く無いけど今夜から森で寝ますがイリーナさんはどうしますか?」


「一緒に行くわ、またアースくんのご飯が食べたくなちゃったので、よろしくー」


「肉の節約の為に肉料理は当分出ませんよ」


「あっ、そこは「どうにもなりません、我慢して下さい」えー、アースくんのケチー」


(主人、こいつ呪うか、体力を奪えばどんな飯でも美味かろぅ)


(クロ、それは、どうゆう、意味だ?、肉無しだと僕のご飯が不味いってことか?、しばらく中に入るか?)


「ヤーイ馬鹿クロ、墓穴掘りー、ざまーみろ」


「イリーナさん、貴方は焼き米のみでいいですか?」


「えっ、調理無しのそのまま?、焼き飯チャーハンでは無く保存食の焼き米?、・・・い、いいわよー、それで、でも、せめてお茶、いいえお湯でいいから付けてく「水は付けますよ」、・・・はい」


(この娘もほんと懲りないな、余計な事を言わなければ追加の被害が無いのに、本当に学習せんな〜)


「ウー、保存食の焼き米もアースくんのなら味付きだしお湯さえ有れば凄く美味しいご飯に成るのにー」


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