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28イリーナの遣り取りとお手伝いの手配

 魔装の装備を渡してイリーナの支払いが決まり、装備の説明をした後しばらくの間、無言で装備を見ていたイリーナが僕を見て。


「あんた馬鹿なの!、最上級の冒険者でも、この装備の1つでも持っていたら自慢したくなる一品よ、更にこれは魔装は個人のみの装備、他の誰も着けられない唯一の装備、あんな端金で造って完成させ神から戻されて前金無しで渡してもらえる、冒険者を馬鹿にしてるわ」


「フッ、なら、馬鹿にしていない値段を、追加で、キッチリ、払って下さい」


「アッ、すいません、失言でした許してください、追加無しでお願いします」


「手のひら返しが早、まったく、返されるのが分かってるんだから言わなきゃいいのに」


「余りにも魔装の価値と付与の成功率と製作者の報酬を知らないから、つい言っちゃたのよ」


「なら当然この装備の価値も出所も秘密にして下さい」


「分かったは、言わない、いえ、言えないわ、魔装はバレてもまだ平気だけど、付与が3つは流石にマズイわ、


 絶対にバレたらギルドに囲われて護衛が付いて自由が無くなる技術だわ、一生魔装の生産しかさせてもらえなくなるのは決定ね、


 貴族以外は面会できない、私が会えなくなる、私は離されてアースくんと仲良くなれなくなっちゃう、


 そんでもって美人の貴族の女にアースくんが奪われて、その人と結婚して、生産貴族になって、旅するなんて絶対に出来なくなる、


 そんなのは嫌よ、私のアースくんは渡さないわ、ブツブツブツ・・・「チョップ」痛い、アレ?、アースくん?、殺してないのに帰って来れたの?」


「イリーナ、妄想の中で僕を勝手にアレコレしたり、僕を何処かに何処かに行かせたりするのは相手を殺して取り返すのは止めろ、次やったら蹴りにするぞ」


「ごめんなさい、次からは妄想が膨らむ前にお願いします、膨らむと後の落ち込みが酷いので、できれば痛く無い方法で」


「無理だ、イリーナは妄想が始まったら僕が声掛けても揺すっても戻らない、過去の事例でハッキリ分かってる、無駄な声掛けする位なら蹴るほうが楽だし早い」


(同感だな)


(雌、ワイの主人に手間をかけさせるな、呪い殺すぞ)


「クロが言うとシャレにならないから、GOサインする迄は呪うのは辞めなさい」


「サイン出せば呪われるんだ〜」


「冗談はここまでにして、やっぱりこの魔装は世間にバレるとマズイ?」


「魔装は製作者と使用者以外は鑑定しても見えないから付与は分からないと思うけど、付与の1つでも攻撃した奴に気付かれて、それを誰かに話されたら面倒な事になるわね」


「そうなんだ、鑑定しても他の人には見えないんだ」


(そうか、それなら鎧下の斬撃耐性以外はただ硬い装備で誤魔化せるな、傷に関しては暇さえあれば直してる事にすれば何とか誤魔化せるだろう、


 仕方がない鎧下の下に無意味だが街中ではワザと音が出るミスリルの鎖帷子でも買って装備すれば鎖帷子と思われ分からんだろ)


「そうね、そうしましょう、私のは有るから要らないわよ、アースくんの分は早速買いに行きましょう」


「そうだね、明日までに用意しないと、アッ、そうそう、その装備一式魔力を通すとザイズ調整される機能が有るから」


 そう言ってドアに向かった、


 途端、


 イリーナが後ろから背中への蹴りが決まり、僕はドアに顔わぶつけた。


「あんた馬鹿なの機能も付与なの、アーー、付与が4つは完全にアウトじゃない、それこそ人には見せらんないわよまったくー、早く魔力を流しなさい、魔力を完全に通してから部屋を出るわよ、早くやりなさい」


 鼻をさすりながら「はい」と返事した。

(父、知ってた?)

(スマン知らなかった、次からはイリーナも一緒に工房へ入ってもらいアドバイスを聞いた方が良さそうだ)


(そうしましょう)

 いそいそと装備に魔力を通してサイズが合うのを確認してドアから出た。


「もう〜、アースくんは変な所で常識が無さ過ぎるわ、非常識と言えば大量に狩った魔獣の肉、タロとジロに馬鹿げた量をあげたけど食べきるには多過ぎるし何に使ったのかしら?、


まぁ今はそんな事はどうでもいいわ、今度から物を作る時は私が必ず同伴するから絶ー対に勝手に作ったら駄目よ、いいわね!」


「はーい」(うむ)


(タロとジロが肉をどうしたかしってる?)

(保存できるから後で食べると言っていたぞ)


(ふ〜ん、保存ね、まぁ獣魔でも相手のスキルを聞き出すのはよくないか、聞かせてくれるまでは待ちますか)



(いやー良かった〜、五月蝿い雌が要らん口出しをする前にワイは剣と防具に成れて本当に良かったー、付与無しの顔無しだと、今後の戦う以外の楽しみが減るところだったー)


「後、腹黒ウサギ、アースくんがお前そっくりのぬいぐるみとダミーの剣が出来るまでは、ぬいぐるみモードにはなるなよ、外でも禁止だからな、分かったな」

(ハイーー)チッ、外に出たら散歩しようと考えてたのに、要らんこと言いやがって〜。


(主人、この雌は序列が一番下じゃないんですか?)

(時と場合によるんだ、下だからと侮ると後悔する事になるから、下手な事をするなよ、因みにお前はランク外の道具だからな、機嫌を損なうと、最悪はイリーナのストレージに入れられて出してもらえなくなるぞ)

(それはもの凄く怖いですね、何とか気を付けます)



 神殿内で神官の方に明日からの串焼きと肉の販売の手伝いを打診した所、売り上げの一部を神殿に寄付すれば孤児院の子供と見習いの聖騎士が手伝ってくれる事になった。


 子供には肉を切るのと金額に合わせた肉の重さにする係をお願いして、


 見習いの聖騎士さんには列の整理と線を引いてそこから中に入るには僕の許可が必要で勝手に入る人は攻撃と見做し反撃するとの説明と、順番を守らせたり知らない人には売れないの事の説明して帰ってもらう様にしてもらうつもりだ。


 刺客は必ず紛れ込んで来る、その辺もお客さんに伝えるつもりだ、買いに来る人達がどう出るか、それによってもライスを最後まで助けるか、有る程度で出て行くか決めるつもりだ。


(他人任せでは無く、皆んなで協力してくれるといいな)

(そう願ってる、皆んなで協力し合って子供達の笑顔を、それを見る大人の笑顔を、みんなで守って欲しい)




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