22待ち伏せと解決の糸口
待ち伏せが本当に僕達への待ち伏せか確認した。
「おーい!、隠れている人たちー!、今から門へ行くつもりですが、敵意が無いなら出てきてくださーい、後で出てきても、野盗と見做し攻撃しますよー」
「出て来ないわね」
(おーおー、殺気立って来たな、敵確実だな)
(攻撃を開始します)
近場にいる奴から弓矢で頭を射抜いていく、気配感知内で鎧を着ていない者はこちらに来る前に射殺していく。
(やっぱり鎧着てるやつが多いな、僕の弓矢対策か、殺せないけどギリギリまで隙間に当ていこう)
近付かせてから森へ入り、隠密を発動して隠れた。
ほぼ全員が森に入ったが、3人ほど入らずに隠れて周りを監視していた。
(まだ隠れてる奴は気配感知ギリギリだね、鎧も着ていそうだ、どうしよう、劣勢になったら逃げられるなー)
(分かった、分かったよ、近付いて殺してこい、暗殺者みたいな事は嫌だが、仕方がない今回は許す)
監視役に近付き、ソードラビットの頭を掴み角部分を背後から頭に突き刺す、何の抵抗も無く兜を貫通して反対に突き出た。
(うわっ、怖、剣を葉に刺した程度の感じ、抵抗らしい抵抗が無い、魔剣にしても、普段は封印だな、危な過ぎる)
残り2人の監視者も声を上げられる事なく始末できた。
森へ入り少し奥へ行き、フルプレートの鎧戦士の首に両側からナイフを突き立て、ワザと発見されて森の奥へ逃げた。
少し離れては弓矢で攻撃、少しでもダメージを与えながら間を空け過ぎない様に逃げる。
たまに少し離れて隠れてゆっくり霧が出る罠を仕掛けていく。
それを繰り返しタロとジロを感じる場所へ走った、イリーナの気配を感知して、そちらに走りその脇を走り抜け隠れて隠密を発動して霧の罠を仕掛けてから移動して攻撃、また隠れて隠密発動して罠を仕掛け移動して攻撃を繰り返した。
イリーナもフレプートの戦士は剣では殺せないかなって思っていたら剣を重い片手メイスに持ち替えタコ殴りにしていた。
重い装備の殺し屋は、イリーナの動きに付いてこれず、関節を殴られ、胸を殴られ凹まされた事で息がしづらくなり、痛みと息苦しさに、しゃがみこんだ所で頭への攻撃で頭を潰されていた。
(結構酷いやり方だな、だがあの娘、意外に手札が多い)
タロとジロは魔法で黒い糸の様な物を出して鎧の手足を隙間から切り、倒れたら、最後は首に巻いて木に吊るしていた。
(もしかして僕だけ?武器のバリエーションが無いのは、剣に成っていないソードラビットの頭が無ければ、対応できる武器が無いし)
(みたいだな、アースに重量武器は無理だ、早く魔剣を作らんと立場が低くなりそうだな)
(死ぬ思いしたけど、ソードラビット倒しといて良かった)
(だな、防御力の高い敵には戦力外に思われたら、リーダーの立場がないからな、良かったな対応武器があって、まだ武器と言えんが)
殺し屋達が逃げようとした時にはあたりは霧に包まれていた。
僕達は全員が相手の位置が分かるので、霧で視界がゼロの中、ゴンガンの音に、苦しむうめき声、ドサッと倒れる音、それ以外は助けを求める声や喚きが聞こえていたが、すぐに静かな森に戻った。
「イリーナ、今からそっちに行く、タロとジロは影でおいで」
「お疲れ〜、アース、どうやって鎧相手に声も音も出さずに殺したの」
「ひ・み・つ、処でイリーナ、作るのは魔剣の大剣とナイフだけでいいの?、今使ってるメイスじゃなくてウオーハンマー辺りが欲しくない?、片側が平頭の打撃用で、反対側がくさびのように先端が尖った貫通用になっているハンマー」
「何で霧の中で見えてるのよ、まったく、ん?、えっ、ウオーハンマーを作れるの?、いいの、買うと鉄の塊だから高いし、片手用の戦闘用って使う人が居なくて売ってないのよ」
「金属鎧が今回の殺し屋と馬鹿貴族の分でかなり有るから、当たる面と軸を硬い金属にして、他を鉄で作ればかなり重くてもバランスとって使い易い物が出来ると思う、バランスは後で教えて微調整するから」
「もしかして魔獣を使った魔法装備や付与魔法が付いてる物以外は簡単に作れるの?」
「鍛治スキルはこの間覚えたばかりだから、剣は無理、金属の剣や斧とかの刃がある物はまだ無理なんだ、
刃になりそうな素材を金属に付けて剣の形にした魔剣とかになるよ、
付与は素材に元々付いてる硬化と再生と成長以外は武器に付けるのはまだ無理だよ、と言うより魔剣鍛治のオヤジさん曰く付けるとまず神から手元に返されないらしいよ」
「魔法金属より固く壊れ難く、破損は再生修復して成長するなら充分凄いんだけど、でも、火が出たり、斬った相手を凍らせたりするファンタジーな武器は駄目なのかー、残念だけど仕方がないわね」
「素材に戻されてもお金を払うなら作ってみるよ」
「戻って来る可能性は何%かしら?」
「えっ、ゼロだよ、そんな危ない物が戻る訳が無いじゃん」
「・・・余計な付与素材は要りません、長く使えて丈夫な武器と防具をお願いします」
「ちっ、残念!、”イリーナなら例え可能性が無くてもチャレンジするわ”とか言って作らせると思ったのに、駄目元を他人のお金と素材で試せる機会を逃した」
「今の時点で全力で振れる武器が無いのにチャレンジする訳ないでしょ、私をどう思ってるのよ!」
「冒険者?」
「確かに未知へのチャレンジはするけど、可能性が無いことをするのは冒険じゃなくて、無謀って言うのよ」
「さて、馬鹿な話はまた今度、霧も晴れたから、死体をインベントリに収納して戻ろう」
死体を確認しながらインベントリに入れて行った。
イリーナの倒した者は、判別不可能なので見つけたら即収納。
僕が倒した奴は兜や仮面などを取り、知っている顔かを確認した。
大半が冒険者のタグを付けていて、ランクはEたまにDがいた、残りは不明、捕まる前に上手く逃げたハンターか街の商人の護衛辺りだろう。
タロとジロが吊るした奴の中で生きている者が1人いたので更に縛り木から下ろした。
審議眼発動。
「お前、遺言はあるか?、野盗ならこのまま殺す、それ以外なら話しだけでも聞いてやる、奴隷は要らない」
「お前ら、これで終わりだと思うなよ、俺たちのバックにはお前なんかにはどうする事も出来ないお方が居るんだ、絶望しながら潰されろ」
「お前みたいな下っ端がそのお方とやらを知ってるのか?、知ってる様ならそのお方は終わりなんだが」
「拷問や審議アイテムは無駄だ、それを話そうとすれば記憶が消える契約だ、ざまーみろ、ワハハハハー」
「話さなくていいよ、神殿騎士長だろ」
「えっ、何で知ってるんだ?」
「間抜けめ、まぁ安心して死ね、神殿騎士長も仲間の神殿騎士もすぐ後から行く事になる」
「チクショー、お前ら地・・・」
恨み言を喋る前に、首をナイフ斬り裂き黙らせた。
審議眼解除。
(これで神殿騎士長がボスなのは確定だな、神殿の規約を守らせる立場の者が、金儲けの為に違反をさせる、今のライスにゴブリンが襲ってきたらアッサリ滅びるかも、かなり危険な状態だな)
「何とかして神殿騎士の中の敵か味方か見分けるハッキリとした方法がないかしら、あれば問題も解決するんだけど」
「今の奴を尋問して思ったんだけどさ、もしかして神殿騎士も契約してないかな、記憶を消す契約」
(神殿騎士長は今まで表には絶対に出ていない、今まで尻尾切りで逃げて来たんだろう、ならば契約してるかもしれんな、あの様な下っ端にも契約してるくらいだ、神殿騎士だけではなく仲間の全員がする契約かもしれない)
「それなら、神殿騎士は敵では無くせる、記憶と共に規約違反の罪も消えるけど、買い占め犯の首謀者は誰々だって紙に書いた名前を順を追って読んでもらう、神殿騎士長の名前だけ言わなければ仲間で即捕縛、言って仕舞えば記憶は消え仲間である事も記憶と共に消える」
「それだと、契約で記憶を消した者の神との規約違反の罪を許すの?」
「ライスの治安が安定したら、神殿騎士長に関しての記憶の追求にを神殿騎士へすれば欠落を確認できる、
規約違反は付かないから軽い罪だけど、取り締まる側の神殿騎士の罪だ、最低でもスキルを消されての期間の決まった追放か一生奴隷になると思う、流石に重犯罪奴隷落ちは無理だけど」
「ムカつくけどこの際だから仕方がないと諦めるわ」
「都市を追放されて、村や行商人とやり取りをしながら罪が消えるまで正しく生きるのは大変らしよ、
今回の事が欲から来ていなければやり遂げれるだろうけど、欲からだからまず間違い無く野盗に落ちるね、
その時に償わせればいい、スキルが無い者が外の者は殺せないだいたいが返り討ちだ」
「ちょっと聞きたいんだけど、外の村に旅人が来たら村ではどんな対応するの」
「見つけ次第タグの確認をする、タグ有りでも代表者だけ村に入れて交渉する、
1人で来たタグ無しは、まず神像の前で契約して自分の罪を有るなら言わせ、何の目的で村に来たか問い、他にいくつか質問して答えられなければ即殺す、因みに2人以上で村に近付いたら裸になる様警告して従わなければ野盗として殺す」
「やっぱり、殺伐としていますね」
「普通だよこんなの、タグ無しの集団はだいたいが犯罪者、村に近くに来て即殺されないだけましだよ」
「そおいうモノなの?
「そおいうモノなの」
(こっちの世界は都市の外は殺伐としてるなー)




