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20村作りの足止めとハゲの過去

 お昼過ぎにライスに戻り村づくりの計画を神殿にいる大神官長に会って伝えた。


 すぐに領主と、ハゲのおっさんハンターがやって来た。


「あの森に村を作るのか?、森にか?」


「正確には森の中にある湖周辺の平原にです」


「俺は魔獣の討伐もしてないのにいいのか?」


「今から見るものは秘密です、この場で知らないのはおっさん、貴方だけですが」


「おっさんって、・・・名前はお互い聞かない方がいいのか」


「今はそうして下さい、今はまだ関係あると思われると危険が増えるかもしれませんから、


 村は今回はある作戦の為に作るので、神殿騎士がやる気が無ければすぐには完成しません。


 外壁ができたらゴブリンは縄張りを持つ魔獣が居なくなりますから定期的に襲ッて来ます、おっさんは早めに頑丈な矢倉を優先して建てさせて下さい、ゴブリンにはそこから弓矢で攻撃する様にして下さい、


 森の中にいるゴブリンは遠距離攻撃は投石だけですから、ゴブリンに矢倉を登られなければ安全です。


 襲撃は定期的にあり大変ですが、事が済めば襲撃は無くなりますから、村は確実に出来ますよ。


 僕は村とか領主に今の所は興味ないので安心して村は貴方が貰って下さい。



 では、少し離れて下さい、呼び出します、タロ、ジロ、人が居るけど安全だから出ておいで」



 タロとジロが、影から顔を出し周りを見回してから出てきて、僕にじゃれつく。


 領主様と大神官長様は、僕達から離れ近付かない。


 おっちゃんは、喉をゴクリと鳴らし、複雑な表情をして、

「その狼の魔獣はシャドウウルフ、いや違うな、角が無い、牙も爪も大きくない、まさか、影に隠れてるんだけじゃないのか、魔法特化の変異種か、影魔法を使うなら森の死神の異名を持つ黒豹より危険だぞ、大丈夫なのか?、言う事は聞くのか?」

 といいつつも近付いて来た。


 2匹はおっさんをジーと見て、尻尾を振り、おっさんに少し近付きお座りして尻尾を振る。


「触ってもいいのか?、嫌じゃ無いのか?」と聞かれ2匹は更に尻尾を振った、おっさんは2匹にゆっくり手を出し撫でた、


 泣きながら、撫でていた。


 おっさんとタロとジロは仲良くなった。




 結果的に問題無く計画は受け入れられた。


 神官騎士長の黒幕説は大神官長は信じられなかったみたいだが、村を作る計画的には村として動き出すまでの護衛は神殿騎士団が初期の住人が集まるまでの指揮を神殿騎士長がするのは当たり前の事なので問題にはならなかった。


 領主は、信じたくない人物だった様子で、もしも間違いであっても何の問題もないので、渋々だが納得した。


 2人が騙され易いのか、はたまた神殿騎士長が騙すのが上手いのか、まぁ、両方だな、あの会議の発言を聞いても違和感に気が付かないんだから。


「えーと、もし神殿騎士長が黒幕だったなら、事が済んだ後、神殿騎士長を任命した御二方には、今回の責任を取って引退してもらった方がいいかも知れません、


 ズル賢い者を相手にするには御二方共は優しすぎます、また同じ様にやられますよ、今回のクズの排除はいい機会かもしれませんよ」


 僕の発言を聞いて、トップ2人は驚き悩み落ち込んでいた。


(これで、引退しないなら、僕はライスにはもう代替わりするまで来ない、この辺による時はおっさんの村にだけ寄って通り抜けるだけにしよう)


(その方がいい、次に来た時はゴブリンの件もあるから荒廃が予想される、戦力として頼られたら面倒だ)




 計画の話し合いのあと、串焼きの販売をしながら、おっさんのハンターとしての経験を聞いたのだが、


 おっさんにも狼から森狼になった相棒の獣魔がいて、とても仲が良く一緒に旅をしながらハンターをしていたそうだ、


 だがある日、猪型のオークに襲われ、逃げる為に追えない様に矢で片目を潰した際に止まった自分目掛けて投げられた棍棒から自分を庇い相棒は傷をおった、


 都市に戻り治療院で治癒魔法をかけてもらったが腹の中が破裂していて助からないといわれ、悲しそうに鳴く相棒を、俺は泣きながら抱きしめたそうだ、


冷たくなっていく相棒を抱きしめながら復讐を誓ったが、もう遭遇した場所にはいなかったそうだ、


 もうどこかで討伐されたかもしれず、追うのをやめ今はのんびりハンターをしているそうだ。


 今回の話は嬉しく、「結婚相手を探すかー」と、喜んでいた。




「なんか、せーだいに、フラグがたったな」

「完全にたったわね、フラグ」


( たったなフラグ、見かけたら逃げるぞ、他者が襲われていてもだ)


「・・・」

「更にたてたわね、このエセ実力者は」


(・・・エセではない、ではないが、スマン)


 2人は下を向き、念話を閉じた。


「ウォン?」「オゥン?」


 泣ける話だったバズなのに、この方達は本当に優しいのに人に泣くのを見せるのがが苦手な人達だ。


 お互い悲しくて泣くのを見せたくないのかな?、擦り寄る?舐めて慰める?。


 取り敢えず横に居よう。


 うん、そうしよう。


 アースとイリーナは横に来たタロとジロをそれぞれ抱きしめしばらく無言でいた。


(こいつらは本当にシリアスが苦手だな、お互いに弱さを見せるのにまだ抵抗があるのだろう、だが、いいコンビにはなりそうだ)




 次の日、狩りのついでに近くまで来ているはずのキャラバンとの接触をする為に朝早くライスを出た。










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