14商談?と登録
宿で休みながら雑談しているとリーダーさんが戻ってきた。
キャラバンのメンバーに混ざって報告を聞いた。
「やっぱり、買い占め野郎が居るんですか、品物は何ですか?」
「買い占めは、干し肉、塩、砂糖、香辛料、ドライフルーツ、酒、干し魚、これらは他の街に奴らが行き売って資金にするための物で売れなくても痛くも痒くも無いみたいだが、
奴らが買い占めてるのは肉、小麦、大麦だ、奴ら常習犯で高価な冷凍庫付きの馬車を何台も持っていやがるらしい、
この辺の外で得られる肉類はカエルやへびが多く、大物でも孔雀辺りの鳥だ、大した量に成らないらしい、周りの村で家畜を育ててるのは1箇所しかなく入荷もまだ少量らしい」
「その村が肉を売りに来るのは何時ですか?」
「今回分は買い占められて次は半年も先だそうだ」
「それで、どうするんですか?、商人ギルドにどれ位売るんですか?」
「うーん、悩んでいる、小出しにするだけの時間は我々には無い」
僕はゆっくり手を挙げ、
「あの〜、今日僕は、ハンター登録して来ますので、僕が渡した薬と薬草の代金を生肉で支払ってもらってもいいですか?」
「もしかして、奴らの邪魔するつもりかい?、時間は掛かるし常に狙われるから危険だよ、我々は1週間程度で次の都市に移動するから余り協力出来ないよ」
「僕、許せないんです、外で命を懸けて得た肉を、特定の人の利益と欲望の為だけに、みんなを苦しめる道具にされるのは、
狩人と元村人としては絶対に許せないです、
僕には、こん後の予定も無いので、
じーっくりと、「ウワ〜、怖い笑顔だなー」
相手の嫌がらせを受けても、
しっ、かりと、「凄い真剣な顔なのに、口が笑ってるよ」
息の根を完全に止めておきます」
「・・・君を、間違っても雑な対応しない様に、我々の仲間や商会にも伝えておくよ、
君、仲間なら頼もしいけど、嫌われたら、もの凄〜く面倒な相手になりそうだから」
「お褒めに預かり光栄です」
キャラバンの全員が引きつった顔で乾いた笑いをしていた。
その後にアッサリと商談は成立、商会に持ち帰る分と移動中の食事分を引いた物を、薬の代金分とは別に、買えるだけ売ってくれるそうだ。
後、前に渡した傷薬とポーションの質が良く、割り増しはできないが売って欲しいと頼まれた。
鑑定したら、効果が一般の傷薬とポーションに比べ2割り増しだった、
ハイポーションより効果が低いのでポーションの値段で済まないと謝られた。
売るのは今回のみで、基本的に薬類は売らない事にした。
売ると調合師に恨まれる可能性が高く、それ以外にも面倒毎が増えそうなので、自分用と緊急時用でしてのみ作る事にした。
(インベントリ内で作ると効果が上がるんだね)
(空気や不純物が入らないからかもしれんな)
今、僕は総合ギルド内のハンター登録試験の受付を済ませ、冒険者のイリーナに着いた事を伝える伝言を残した。
このままハンターギルドへ行き、受け付けに登録試験の場所と開始時間を聞きに行くことにした。
神殿に有る総合ギルドは問題無しだった。
ハンターギルドに着いた。
受け付けに並び、順番が来たので受付嬢に登録試験の用紙を出した。
「登録試験ですね、試験はハンターギルドの訓練場で行います、受け付け左のあの扉を出て左に真っ直ぐ行った先に有る扉の向こうに在ります、最短は後30分後に有ります、後は明日の3時になります、明日の試験を予約しますか?」
「30分後の試験でお願いします、僕はこのまま訓練場に行きます」
「試験が終わりましたら、受け付けに戻りこの結果用紙を持って来てください、試験担当はウーツに成ります、では頑張ってください」今、後ろの誰かを見たな。
「はい、頑張ります」
後ろから男が僕の行く試験場へ行く扉の方に立ち。
「オイ、ガキ、お前ハンターになりたいのか、なら俺の仲間に入れてやるから感謝しろ」
アースは審議眼を発動して、男を避けて完全に無視して男の横を歩いて扉に向おうとすると。
「ガキ、そこのお前だ、おい、止まれ、止まれって言ってるだろ」と、再び前を塞いだ。
「そこの受け付けさん、この人が試験官のウーツさんですか」
「いいえ、違いますがDランクハンターのザゴイさんです、Eランクパーティーのリーダーから新人へのお誘いですよ」
「説明した受け付けさん、この方に強引な勧誘を注意しないんですか?、そうですかしないんですか、ハァ、えーと、下から4番目のザコランクのパーティーリーダーさん、ザコのあなたが僕の試験の邪魔をする理由は何ですか?」
「「・・・」」
「答えられないなら、退いて下さい、退かないなら避けて通りますから邪魔しないで下さい、念のために警告しますが、次に邪魔した場合は攻撃と見なし反撃します」
避けて横を通り過ぎる時に「オイ」と言い、肩を掴もうとして来た。
掴もうとした右手を掴み関節を決めて足を掛けて倒し、力のかかっている右肩を捻り折り、更にカカトで手加減無しに踏み抜く、ギャーと悲鳴を上げうるさいので顎を蹴り気絶させた。
「すいません、外では反撃は当たり前の行為だったのと、五月蝿かったので、つい、
止めなかった受け付けさん、彼、肩が完全に砕けてますが後処理は貴方がお願いします」と、言い残し扉に向かった。
ステータスは勿論、罪にはなっていない。
(いいのか、目立ったぞ)
(問題無いよ)
扉の前で止まり振り向いて、受け付けに向かって言った。
「僕は、村出身の狩人だ、
5歳で狩人の職業を得てGランク、
街から村に出てEランク、
8歳で外で村の狩人の弟子になった、ハンターで言うFランク相当だ、
13歳で村の見習い卒業してDランク、更に師匠に森でのソロでの遠出の狩りを許可されていた、
つまり、Dランクより完全に上なの、あんなザコハンターの無理矢理の勧誘をされる謂われは無い、
おい!そこのザコの解説した受け付けと関係者、神殿には今回の報告するから言い訳を考えておけ、
因みに僕は助神官の資格もある、逃げようなんて下手な事を考えている奴は居ないだろうな、居ないならここに居る関係者全員、返事しろ」
「「「「「「「「「「はいぃー」」」」」」」」」」
(あの受け付け達の手先はいた?)
(居たも何も、食事中のハゲ男以外は、ホールの全員がアウトだったぞ)
(ハー、ギルド職員の総入れ替えにハンターも大分居なくなりそうだね)
(ギルドマスターと今回の試験官がまともならいいけどな)
廊下に在った案内図で試験場を確認、受付嬢に教えられた訓練場とは反対の右に試験場が有りそこに向かった。
(あの女ー)
(アース、あの登録の受付嬢は後でキッチリ〆ろ、新人に対して、やり方が悪ど過ぎる)
(あの受付嬢は後で神殿にに連れて行く、
何でか分からないけど、あの手の嘘つきは神像の前で契約して問いただせば面白くなると思うんだ、
普通に間違いを認めれば見習いからのやり直しだし、言い訳をして間違いを認めなければ、嘘の発言で契約違反の罪が付く、契約違反の罪が付けば後の尋問が楽になる)
(女にでも容赦ない案を出してきたな)
(僕は、ドジでも一生懸命のかわいい女は好きだ、でも、欲望まみれの笑顔で平気で嘘付く女は心底嫌いですから)
(我も同じだから問題無い、寧ろやれ、あの手の女はブン殴りたくなる)
試験場でタロとジロにオヤツの骨をあげながら遊び、ささくれた心を癒やしながら試験官を待っていた。
基本、タロとジロの餌は、自分が食べた後に、影に向かって名前を呼び、顔を出した所で与えていた。
今回の訓練抜きの戯れとオヤツは初めてで、タロとジロはとても楽しそうだった。
試験官らしい人に名前を呼ばれ、「はい」と返事をしてから、タロとジロは壁近くで待機させ、試験官の元に走った。
「良かった、良かった、今回は居たな、最近は新人の試験が空振りばかりで困っていたんだ、えーと、アース君、私は試験官のウーツだ、サブギルドマスターでも有る」
「空振りの件で伝えたい事が有るのですが、良いですか?」
「何だ?」
「まず、最近の試験が空振りなのは、受付嬢が試験は訓練場で行うと間違った情報を与えているからだと思います、
他にも、ザゴイとか言う雑魚ハンターが受験者を引き止め遅刻する様に邪魔をしていたからの様ですよ、
その雑魚ハンターは警告を無視して引き止めようと掴み掛かって来たので肩を潰しました、
ここのギルドは緩いですね、他の場所ならあっさり魔物に殺される様な者が、偉そうにしているのですから」
嫌味を言ったが予想外に謝られた。
「済まんな、実はライスでまともなハンターはギルマスと昨日移って来た男だけだ、俺を含めて、他でハンターできる程の者はこの都市周辺には居ないんだ、
ハッキリ言って、ライスのハンターは弓矢より罠を仕掛けて捕まえる方が専門で、大物がいない事もあってランクと戦闘能力はイマイチなんだ、
だが試験施設は他と変わらないから安心してくれ」
「分かりました、お願いします、僕も罠を使いますが、罠の狩りも立派な狩りですよ」




