13到着と波乱の幕開け
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キャラバンの馬車に乗って、ウィート方面の街道からライスの正門に着いた。
列に並ぼうとすると、すぐさま兵士が駆け寄って来て、中に入るための列の横に案内されて列を通り過ぎ、貴族や緊急時専用の左の門が開かれ中に通された。
審議眼を発動して兵士長とキャラバンのリーダーの会話を聞いた。
「あなた方はウィートから来たのですか?」
「商会はウィートではありませんが、ウィートを経由して参りました」
「ウィートはゴブリンに占拠されているとの情報が有ったのですが、通って来れたのですか?」
「ギリギリでしたが、抜けて来れました。
しかし、ゴブリンの襲撃でウィートは周辺の村を含めて壊滅しています、
私達も危うく全滅しかけましたが、負傷者を出しながらも傷を癒しつつ、何とか辿り着いたしだいです」
「ありがとうございました、詳しくは明日の昼にもう一度お聞かせください、宿を手配しましたのでそれまではゆっくり休んでください」
「商人ギルドで取り引きを致した後に、宿への案内をお願いいたします」
「・・・わかりました、その様に手配します、お願いがあるのですが、出来るだけ物資を売っていただきたいのです、かなり不足してまして」
「分かりました、商人ギルドに出来るだけ売らせて頂きます」
「御理解して頂きありがとうございます」
リーダーと兵士長は握手をして商人ギルドに向かった。
リーダー以外のキャラバンのメンバーは馬車ごと宿屋に案内された、
僕も便乗させてくれた。
(物資の不足ってまだそんなに経ってないだろ、アース、なんでか分かるのか?)
(僕の里親の神官様に聞いた神官になって起きた面倒な事例に有ったよ、
平和ボケした商人ギルドに登録しない街の商店が、買い占めしてるんだよ、
今はウィート方面からの物資が入らないから物が不足気味なのに買い溜めして売らないんだよ、
不足して値上げしても売れる迄待つつもりなんだ、自分達の金儲けしか考えていないクズだよ)
(ギルドに登録せずに外の商品を扱えるのか?)
(市民と同じ価格なら買えるよ、本来は利益は出無いけど、大量に買い占めて不足させる事で都市の規約を無視した上乗せ値段で市民に売るんだ)
(罪にならないのか?)
(神殿施設内では駄目だけど居住区は領主の管理だから買いに行った手間賃ということで合法になるんだ、そうしないと運送屋がお金を貰えなくなるからね)
(その値段で買う奴がいるのか?)
(仕方なく買うらしいよ、前に師匠が話した、昔だけど大量にギルドに売りに行って買い出しに来ていた街の商売人に凄い嫌味を言われ嫌な思いをしたとその時の状況を話で聞いた事があるよ)
(あぁ、なるほど、街の中で談合して仲間を増やし、値上げの邪魔されない様にしているのか、・・・だが、物資が不足しなければその商店は信用を失って潰れるぞ分かってやってるのか?)
(間違いなく不足するからやるんだよ)
(凄い馬鹿だな、儲かっても物資が安定したらもう誰も買わないだろ)
(そうだね、だから流通が安定したらお金を持って他の都市へ移って商売するんだ)
(そいつらはまたその都市の流通が滞るとまた同じ事をして逃げるのか)
(だから売りに来た師匠殿が嫌味を言われたのか)
(そう!、信じられないよね、流通の危険は他人に押し付けて、横柄な態度で甘い汁だけ得て逃げるクズ共だよ、
ここで潰しておかないと、皆んなの幸せを見るという、行商人冥利の僕の幸せ感が無くなる)
(市民が定期的に直接商人ギルドへ買いに行けば買えるんじゃないか?)
(もし追加で入荷しても、いち早く商人が買い占めて買えないらしいよ)
(アースが行商人をやりたい理由が皆んなの笑顔なんだから、ヒジョーにムカつくな是非とも潰ぶしたいな)
(そうだね、ハンター登録だけして、ハンターとして狩った獲物と獲物と交換した食べ物と採取した食べ物を調理して、ハンターギルドに許可を取り、ハンターギルドのまえで露店販売をしようと思う)
(露店販売かー、楽しそうだな、邪魔が入るだろうがな!)
(難癖を付けられたくないから、ギルドに商人登録はしない!、ハンター特権の個人取り引きがしづらくなるからね、今後こういったクズがいる都市が今後も有るかもしれないからハンター登録だけにするよ、
ハンターになればキャラバンに渡した大量の薬と薬草の代金をお金ではなく商品に変えてもらえるから、早速、リーダーさんに相談しようと思う)
(あの様子なら協力してくれそうだな)
(師匠が言っていたハンターの敵、2度とやる奴が居なくなるほど悲惨な終わりにしてやる、フフフフー)
(アース、お前は本当に敵認定した奴に容赦無いな、肉関係の商売人達はそれで終わりだが、他のクズはどうするんだ、完全に潰すんだろ)
(そっちはどんな物を買い占めているか、談合していない協力的な街の商人がどれくらい居るのかを見極めてからになるね、
逃げられると面倒だから根こそぎ潰すためにはしばらくこの都市に滞在しないとね、安全のために寝泊まりは森でする生活になりそうだね)
(仲間で思い出した、アース、イリーナには連絡を取らないのか?)
(もちろん取るよ、門での兵士の対応から見て、イリーナは上手くやったみたいだからね、僕の事を約束通りに話していれば、この都市のトップの2人に伝手ができていて、協力も楽に取り付けれて貰えるかもしれない)
(イリーナが、森での活動できるチカラを付けてるといいな)
(えっ、チカラが付いてなくても森に連れて行くよ、人質にされたら面倒だし、森に居れば自然に緊張感でできる様になるよ)
アースは、イリーナに対して優しいのスパルタなのか分からんな。
(アース、滞在が長引くなら神殿の工房の予約しとけよ、例の魔獣の素材で武器と防具を作っておけばいざという時の安心に繋がる)
(加工の為の鍛治はすぐ覚えられそうだけど呪いはどうするの?)
(呪いはかけれないが、要は使用者と製作者以外が持てず、魔獣を倒した者しか使えなければいいんだろ、なら簡単だ、
本来は魔獣の素材だが、持つだけで多少だが攻撃されるみたいだ、ただ、倒した者には従うらしい、
あの兎の角だが相当ヤバイぞ、他の奴には持つことも危険だ、
誰かに加工を頼んだら最悪そいつは死ぬかもしれないぞ、
あの兎、最後は完全に屈服してたから、アースには持てるが、他の者は持てない、
つまりは、すでに素材に持てば攻撃されて死ぬ呪いがかかってる、
ハッハッハッハー、良かった?な)
(・・・改めて分かったよ、あのソードラビットが規格外で、倒せた事自体が奇跡だったってことが)
(生きてて良かったな)




