表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたと夢見しこの百合の花  作者: 五月雨葉月
4/36

3.憧れの先輩

清歌視点が続きます。

 わたしが出てきたことに気がついたのか、そっと顔をあげる五行先輩。そんなひとつひとつの動作も、洗練されたように美しく、可愛らしかった。


「……あっ! お姉さま、じゃなくて五行先輩……。どうしてここに……」


 つい言葉を発してしまった。すると五行先輩はそっと眉を潜めた。そんな顔もとっても可愛らしくて……じゃなくて!!


「す、すみません、すみませんっ!」


 まともに会うのは初めてなのに、何か悪いことをしてしまったのではないか、失礼なことをしてしまったのではないかと焦って、ひたすら頭を下げる。

 と、五行先輩が、凛とした澄んだ綺麗な声で聞いてきた。


「あなた、確か1年5組のクラス委員の……御津さん、だったかしら?」

「は、はいっ! 御津(みと)清歌(きよか)です! すみません、わたしっ……!」


 名前、覚えていてくれたんだ……。あの五行先輩に……。今の自分の立場を忘れ、ぽーっとしてしまう。わたしの名前を呼んでくれただけなのに、五行先輩に呼ばれただけなのに、こんなに嬉しいだなんて。


「いいのよ。……ところで、どうして泣いていたの? 何か悲しい事でもあったのかしら?」


 五行先輩の言葉を聞いて、ドキッとする。

 ……もしかして、泣いてるところ、聞かれてた?


「い、いえっ! 先輩のお手を煩わせるわけにはいきません! わ、わたしは……大丈夫です…………」


 恥ずかしい。憧れの先輩に、泣いてるところを聞かれてしまった。

 私は耐えきれず、走り出してしまった。


「すみませんっ、すみません!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ