??.私と清歌
諸事情によりなろうではこちらが最終話となります。
いままでお読み頂きありがとうございました!
投稿までに86ptと13000pvを頂いておりました。
今後はアルファポリスにてのみ続編の執筆を続けて参りますので、どうぞそちらでご覧くださいませ。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/8211366/179108926
長くて楽しい夏休みを境に一転、新学期が始まるとすぐ学校の三年生のフロアでは受験勉強前のピリピリとした空気が漂いはじめた。
もちろん私も例外ではなく受験勉強に励んでいる。
まだ進学先は決めていないのだけれど、少なくともやらないでいるよりはやった方がましだ。
清歌と過ごす時間も、一月の統一試験が近づくに比例して少なくなっていったものの、清歌が居ることでリラックスして過ごせることから、最近は清歌に私の家に来てもらって一緒に勉強している。
教えられる事が一番の学習と言われるところで、事もあるし、なにより後輩の清歌が分からないところを解説する事で改めて自分の知識として身に付けることが出来るので、遠慮せずどんどん聞いて欲しいと言って勉強をしていた。
勉強だけでは疲れてしまうからもちろん時々いちゃいちゃタイムを入れて、集中力が持続するように工夫もした。
そんなこんなで無事国立大学に入学し、星花女子学園から新たな学舎へと移った年の六月。
私は久しぶりに星花女子学園へと足を踏み入れた。でも、今日はお忍びである。
この日は生徒会長選挙の日。私は清歌に応援演説を頼まれていた……訳ではなく、ただ清歌がどんなことを発言するのかが気になっていた。
『自分の力で生徒会長になってみたいの』
そう言ってきた清歌をきゅっと抱き締めた日を今でも覚えている。
演説者を目立たせるために真っ暗な講堂のステージの中央でスポットライトを一身に浴びながら堂々とスピーチをする清歌。
「わたしは先代、先々代の会長を超えたい」
そのスピーチを私はキャットウォークのステージを正面に望む位置から聞いていた。あなたならきっと素晴らしい会長になれる。その確信を持って。
そして投開票が即日行われ、他の候補者がいないなかでの新任投票にて絶大な支持を集めて当選した清歌に、サプライズで引っ越ししたての会長室に花束を持って押し掛けた。
「おめでとう、清歌会長」
「もう、姫奏っ……急に……ふえぇ」
嬉しさのあまり泣き出してしまった清歌をそっと抱き締め、キスをして泣き止むまで頭を撫でてあげた。
そんな怒濤の日々が過ぎ去り、清歌がふたたび私の後輩となって迎えた春。
清歌の卒業を待ってからという形になって、二十歳の私と十八歳になった清歌は結婚式を挙げた。
同姓による結婚が当たり前となっている現代で、家族みんなが反対もなく祝福をしてくれた。
教会の十字架の前で誓いの言葉を述べ、キスをしたとき、私は改めて幸せさに泣きそうになったものの、必死に堪えて式を終えた。
その日の夜、清歌とふたりきりの部屋で私は堪えていた涙を一気に溢れさせた。
「清歌と出会えて良かった。一緒にいられる時間が幸せで嬉しくて……」
と言うような事を嗚咽混じりに言う私をそっと抱き締めてくれた清歌に、本当に清歌と出会えて幸せだな、素敵な奥さんに出会えて良かった……。そう思えたのであった。
私たちはずっと、ずっと一緒に幸せに暮らした。
お互いに、支えあい、愛しあい、想いあい。
いつまでも、いつまでも。
お読み頂きありがとうございました
【アルファポリス版】
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