33. 臨海&林間学校【2日目、3日目】その10
31、32話はアルファポリスにのみ投稿しております。
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あのあと夜遅くまで攻めつ攻められつ楽しみ、部屋に戻ってぐっすりとお互い抱き合いながら眠った後の臨海&林間学校最終日。
楽しかった日々も今日でおしまい。 私たちはお昼過ぎの出発を前に最後にともう一度海で遊んだ後シャワーを浴びて荷物をまとめていた。
「楽しかったですね♪」
「そうね……来年は清歌が会長の番だから頑張らないといけないわね」
「もう、決まったみたいに……。でも、姫奏はいないんですよね……。想像できません」
そっと目を伏せて寂しそうにする清歌。
その肩をポンポンと軽く叩いて励まそうと声をかける。
「大丈夫よ。いっぱいいっぱい遊びに来てあげるから、ね♪」
「でも大学は……」
「飛び級でちょちょいのちょいよ?」
「……ですよね」
安心したように微笑む清歌。姫奏も微笑み返す。
「姫奏はやっぱり外部ですか?」
「そうね……、まだ決めてないのよ」
私たちが通う星花女子学園は大学の附属校で、隣の市に大学の大きなキャンパスが存在する。しかしその方角とは逆に電車に乗って行くとこれまた同じくらいの距離に、今度は国立大学があるのだ。
こちらの国立大学は東大よりは劣るものの五本の指には入るだろうと言われるところで、比較的最近出来た新設の大学だ。
星花も十分トップクラスの大学なのだが、更にレベルでも星花と匹敵するかそれ以上の大学が出来たことで進路も更に広がったのだ。
「でも、どっちに進んでもいつでも会いにこれるから安心しなさい? どうせ通うのはこの市内からだもの」
「それもそうでしたね」
やっと笑顔が戻った清歌。ちゅっ♪ と柔らかい清歌の唇にキスをしてぎゅっと抱き締めた。
「……私はどこにもいかないわ。清歌とずっと一緒だから、ね?」
「……はい♪」
「さて、じゃあ手早く荷物をまとめましょう。そろそろ時間よ!」
「はい!」
こうして私たちの、長くて楽しかった二泊三日の旅行は終わりを告げたのでした。
帰りのバスで、疲れのあまり眠ってしまった清歌の寝顔を眺めながら私はずっとこの娘の側にいたい。その気持ちを再確認しました。