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春の物語  作者: はろくま
第一章
8/80

8話 春の始まり

 「義男さん恵さんご無沙汰してました。今日はよろしくお願いします。」

「んむ。よろしく頼む」

「大谷さんも久しぶりだねー見なかったけど、どっか行ってたの?」

「ええ。この前、恵さんが見つけた15年ものの売り先を探しに行ってました」

「あーそれでかー」

「はい。黒の15年ものとなると相場がありませんので、中々これが難しくて」

「早く開放されれば、あたしたちにもお金が入るんだけどなぁ」

「はは、そうですね。莫大な金額が入りますね」


「警備長はみつやに残すことを主張していますがね」

「えー、そしたらお金が入ってこないじゃーん。かーちゃんお金欲しくないのか?」

「とーちゃんとかーちゃんは貧乏暮らしになれてるけど、あたしは、みつや育ちだからー」


 「はは、なにもお金が欲しくないわけじゃないでしょうけど、近隣コミュニティの情勢もきな臭くなってきてますからねぇ」


 「中央のほうでは戦闘用の兵器開発もだいぶ進んでいるようですしねぇ」

「中央っていうと宿とか?」

「いえ千代田ですね」

「そかーなんか色々大変だねぇ」

「ええ。お母様も毎日会議していますよ」

「がんばれ、かーちゃん」

「んむ」



 中々の登山コースのような現場への道ではあるが、歩行においてもほんの少量の[力]を使用することにより普段と変わらないように歩行しているのである。

 義男については[力]の使用もなく普段どおりに歩行している。

 40歳となった今でもドイツの森の番人は健在である。

 [力]の放出により属性士には見える微弱な発光を伴う。

 坑道と言っても1mほどの間隔で道を照らす属性パワーストーン式のライトが設置してあり暗闇で危険ということはない。

空気についても常設の管理ポイントでの管理によりところどころ流動されている。



「で、今日は例の黒の近くなんだよね?」

「そうです。お二人には例の黒の開放日を測定していただこうかと」

「わかるわけないじゃーん」

「そこはほら、義男さんの感と言いますか」

「あーとーちゃん、その辺、なんかわかるよねぇ」

「わかろうと思ってわかるものではない」

「なので、近くでなにか感じるかどうか、変化があるかどうかを感じていただくことで結構ですので」

「だからA班は今回こんなに人、少ないのね」

「そのとおりです。ただし全員が地属性ラインセンス持ちの方のみです」

「でも例の奴ってさ、確か特秘物っていうやつにされてなかったっけ?」

「ですので、今回は契約でがちがちに縛られていますよ」

「今回の場所を外部に漏らしたことが発覚すれば1年分くらいの通常の発掘ポイントがマイナスになりますし、金品も請求されますよ」

「え?そんな契約あった?」

「んむ」

「え?とーちゃん聞いてた!?」

「説明してた」

 根は生真面目なのである。

 黒の15年ものが見える位置についた頃合で藤島が言った。

 この男の解析能力として、常に自分の周りの石の状態を解析しているのであった。



「あの、、、、大谷さん、すみません、よろしいですか?すみません」

相変わらず小さい声だったが、大谷は聞き逃さなかった

「はい。どうしましたか?」

「あの、、、黒い奴ですが、先から20mほど上の所の中がなんか動いています」

「え?」

「ええ!?」

皆の視線が黒の15年ものと呼ばれる石に集まった。

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