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春の物語  作者: はろくま
序章 エピローグ
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1話 世界一尊敬され世界一恐れられる鍛冶屋になった男の物語

始めて投稿します。はろくまと申します。

この物語はフィクションです。物語に登場する人物名、団体名等は、実際の人物名や団体名等とは無関係です。

 エピローグ はじまり

15年前・・・・・・・・・・・・

2016年11月20日、PM1:30、埼玉県みつや市西みつや駅近くの安さを売りにしている手作り弁当の店「みらくる」店内。


 一見して体重100kgは超えているであることがわかるその男はこの店に通う理由である、250円の日替わり弁当を物色していた。


『今日のおかずはアジフライか』

『いい加減、フライ物は飽きたけど、金が無いしな』

 

 春田次郎、北海道札幌市出身、昭和46年生まれの45歳、現在無職。

先月、15年勤めた雑誌編集プロダクションを退社。大手出版会社発行の所謂、老舗オタク系月刊誌のライターを務めて居たが、昨今の本が売れないという状況の煽りを受けて、惜しまれながらも紙媒体としての幕を下ろした。と、同時に春田のライター人生も幕を下ろした。


今まで一緒に作ってきた出版社側の編集者が言う。

「春田さん、紙としては出版しないことに決まったけど、WEB中心に活動を移すだけだから今までと同じようにお願いしますよ」

「いやじっくり考えたけどやっぱりWEBでの仕事は向いていないと思うんで、止めておきますよ」


 内実は今の仕事に膿んでいたのが本音。本当に自分が良いと思う物の紹介記事や世の中に伝え広めたい物の記事を書けたのはもう昔のこと。

 最近といえば雑誌へ広告を出稿しているメーカーの進める商品の紹介記事を機械的に書く仕事か、もしくは目につきやすい、おまけの企画物を手がける毎日であった。

 現実として、無職となった今、前よりは所得は下がっていたであろうがWEBでの記事ライターを続けていれば一定の所得は得られていたと思われる。


 短絡的である。ええ格好しいである。後悔はしていないと自分に言い聞かせる毎日。小さい頃からずっと繰り返してきた[逃げる日常]。瞬間的に取り繕うことが得意になっていた。


 根本が自分に都合の良い部分だけを楽観的に考えることができる男なのである。

嘘をついてきた毎日。聞き上手ということもあり友人関係を築こうと思えばいくらでも築けたであろうが、面倒くさいのである。

故に親友と呼べる友人0人。本人も不思議に思うことが極たまにあるが、1人きりということで寂しく思うことが無い。

 どこか一般とは思考が違ってしまっているのかもしれないと自己分析はするがすぐに飽きてその考えも霧散する。

 信じられないかもしれないが、根は真面目なのである。正確には真面目な態度に惹かれてきた人生だった。

ただし、うわべだけ。

なんとなく、とある場面で真面目に振舞えば格好良い気がする。程度。


『人生リセットしてーなー』と漠然と考える。


「これお願いします。」250円弁当をカウンターの店員に手渡した時である、

「ギャー」とも「ギエー」ともはっきりとはわからないが様々な鳥の声を混ぜたような声が大音量で響き渡ったと思った刹那、

 今度ははっきりと地面の下から「ゴゴゴゴゴゴ」という音とともに激しい揺れが襲った。


「!?地震!!!!」


 言葉には出したが、通常規模の地震とは思われなかった。立っていられる状況ではなく、

目の前の道路がまるで道路の下から土の龍が現れたかのように数十mの大きさで隆起した


『あー土で出来た虹みたいだ。』

 何故かゆっくりに見えた。

 弁当屋みらくる(だった場所)から数百mは離れた場所から発生した、1つあたり幅が5mはありそうな黒い水晶が心太ところてんのように地面から溢れてやはり土の虹のように隆起を始めた。

 さっき見た土虹との違いは、なんか自分の方に向かって来ている!?ゆっくりと 

 『リセットできるー!?』 ある意味すごい。

 ゆっくりに見えていたわけではなく、実際にも時速にして10km程でゆっくりと襲い掛かった。


 黒い水晶(風)虹の先端が春田に覆いかぶさる瞬間、それまで硬い物であったはずなのに触れた瞬間に春田の体の形のとおりに「ふっと」その部分だけが無くなったかのように変化を遂げた。


 そのまま黒水晶(風)の虹はメス型にぴたりとはまった春田を抱えたまま地中深くへと潜って行った。

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