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センメンキ・ラヴ  作者: プリティーお魚
大学一年生
20/24

複雑な、

「え、まだ結婚しないの?」

「前はあんなに結婚のことやいやい言ってたくせに」

「いや、豚饅頭一度決めたら曲げないじゃん」

田村さんの家を後にして一度自分の家に帰り、晴れてフリーターデビューした豚饅頭の家に遊びに行った。フリーター入学祝に豚饅頭を買ってやった。

「さすがゆっこ私のことをよく分かっている、と言いたいところだけど君は世の中ってもんを分かってない」

「ん?」

「結婚にはお金がかかる」

「まあ」

「申し訳ないことにまだ独り立ちできる余裕が無くてさ、母上の脛をかじらせてもらってる」

「なるほどねー」

「そうなのー。そういや大学どうよ?」

「田中に連れられて」

「懐かしいやつ」

「ホテルに連れられそうになって」

「は!?」

豚饅頭が口に含んでいた豚饅頭をこぼす。

「先輩に助けられた」

「はぁ!?!?」

豚饅頭が口に含んでいた豚饅頭を私に向かって吐き出す。

私は先日のことを大雑把に話した。

「ゆっこガードゆるすぎるよ。もう少し女性であることを…あ」

「ん?」

「田中で思い出したけど溝口死んだよ」

「は!?」

「私も高校の人から聞いただけだからあんま知らないんだけど…」


豚饅頭が聞いた話だと、高校の頃から溝口はソッチ系の人とつるんでいて、薬を日常的に使っていたらしい。それが数週間ほど前に警察にばれたらしく家に警察がやってくる。しかし溝口は逃走。三日後に自殺なのか事故なのか分からないが崖から落ちて亡くなっていたらしい。


「まぁ私に対するストーカー行為はクスリ関係ないと思うけどね」

そう言って豚饅頭は笑うが多少の気まずさはあるようだ。

私だってそうだ。いくら嫌な奴でも心の底から死ね、とは思えない。


しかし現実は非情なのだ。誰にでも死は訪れると私は後に思うことになる。

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