この歳になると、
大学一年生。春。花粉で涙と鼻水がだらだらこぼれ、折角ダイガクデビュウで化粧を変えてみたのに落とされる。
新歓。上級生たちが血眼で未来のサークル員をハンティングしている。あまりの狂騒ぶりに折角あげていたテンションも落とされる。
そんな中、一つのサークルが目に付いた。
「弓道サークルあーちぇりー」
とんでもない矛盾をはらんだそのサークルの名前がすこし面白くて、そのサークルのブースに行くことにした。
ブースにいたのはメガネをかけた真面目そうな男性だ。私は声をかける。
「すみません、ちょっと興味があって」
その男性はビクッと動き、どこからかチラシを取り出す。
「ありがとう、で、で、早速だけど、説明を始めるねん」
ん?
「僕たちのサークルはがっちがちでもないんだけどん、」
ん??
「ちゃらちゃらしてるわけでもないから安心してほしいん」
おや???
「で、活動日は」
「あの」
「ん?」
「もしかして田村さんですか」
「え?うん」
「弟さんいらっしゃいますか?」
「え??う、うん」
「田村正毅くん」
「あれ?弟の知り合いかなん?」
なんと。田村正毅―サムスン君の兄にこんなことろで出会うとは。
しかも「ん」でわかるとは世の中変なこともあるものだ。
私は迷わず弓道サークルあーちぇりーに入ることにした。
さっきまで落ちていたテンションが少しだけ上がったん。
就活が始まってしまったため更新が遅くなります。
気長に待ってくださると幸いです。




