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センメンキ・ラヴ  作者: プリティーお魚
高校三年生
14/24

乗り越えていき、

村田先輩が見えた。お疲れ様です、と私も言う。その隣には先輩がいた。

私は先輩のことをキッと睨み付け、試合観戦に戻る。


誰の目からもうちの高校は敗北が決定的であった。

それぞれ2、3本中てているものの、総的中数がパッとしない。

そんな中、大城は一本も中てられていなかった。去年の出来事がフラッシュバックする。

非常に見覚えのある表情で大城は出番を終え、後ろへ下がっていく。

私たち応援メンバーは急いで道場出口へ向かう。

誰も責める者はいない。皆よく頑張った、と選手をねぎらう。

この瞬間私たちの代は引退となった。試合で弓を引くことはもうないだろう。


「先輩、帰りちょっといいですか」

大城が話しかけてくる。少し悩んだのち「いいけどちょっと待ってて」と言い、私は先輩のもとへ駆け寄る。

「お久しぶりです」

「ああ直井か、久しぶり」

先輩は茶髪になっており、カッコよかった。

「最近お体の調子は良いですか」

「医者かよ」

「や、久しぶりの人って何話せばよいのか分からなくて」

「確かに。まあ大丈夫だよ、直井は」

「元気です」

「そうか」

「先輩はいつも元気そうでいいですね」

「それってアホっぽいってことかよ」

「そんなつもりではないですけど言われてみればアホっぽ…失礼」

「直井相変わらずだな」

「私は私なんで」

「悪くない」

「へへへ」


しばらく先輩と話し、今度大学受験の相談受けてください、と言い大城のもとへ行く。

大城は今にも泣きそうだった。こういうのはサムスン君とかの役目だと思うのだが。

「先輩にせっかく指導をもらったのに…自分がふがいないです」

「そんなことないよ、大城はよく頑張ったよ」

「ありがとうございます」

沈黙。沈黙がうるさい。

「君はこれからさ、あるんだからめそめそしちゃだめよ」

「先輩…先輩!」

大城はどこに感激したのか分からないが突如ブワッと目から涙を溢れ出させた。

私は頭をなでてやる。

「先輩、抱きしめていいですか」

「やだ、セクハラだよ」

「すみません」

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