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センメンキ・ラヴ  作者: プリティーお魚
高校三年生
10/24

もうすぐ終わりですが、

『ぶたまんじゅうはヤリマンじゅう』


朝、学校に来ると黒板にそう書かれていた。

無我夢中でその字を消した。後ろからいくつもの視線が刺さる。

豚饅頭は隣のクラスだ。何故ここに書く必要がある。

急いで隣の教室に行くと全く同じ内容が黒板に書かれていた。豚饅頭は席に座っているだけで身動き一つしない。

「だれ‥」

思わず声が出ていた。溝口か?そこらへんにいた男子に溝口のことを聞くとまだ学校に来ていないらしい。それでは田中か、と思い自分の教室に戻るとたった今教室に着いたらしい。田中に駆け寄る。

「黒板に落書きしたのあんた?」

「は?」田中は自分は関係ない、といったような返事をする。使えない男だ。

豚饅頭のクラスに行き、黒板の字を消してから豚饅頭のもとへ駆け寄る。すると豚饅頭の方から声をかけてくる。

「おはよう、ゆっこ」

豚饅頭は何事もないかのように振る舞っているが、手の甲をつねっているのが見え、たまらなくなり豚饅頭の腕をつかみ教室を出た。


「なにあれ」

昇降口まで来てから話す。

「知らない、さ、教室戻ろうよ、授業始まっちゃうよ」

「誰が書いたの、なんであんなこと」

「‥あれかな、昨日溝口に告られたんだけど彼氏いるから、て断っちゃってさ」

「じゃ溝口が書いたの」

「まだ学校来てないから違うんじゃない?私来た時にはもう書いてあったけど」

「じゃあ誰が」

「そんなことはどうでもいいじゃん、戻るよ」

いつもとは違い語気が強かった。様子がおかしいことに気付いてはいたものの私たちは教室に戻った。


休み時間に田中にもう一度聞く。

「黒板に落書きしたの誰か知らない?」

「お前さ」

そう言って田中は周りを見る。

周囲のクラスメイトと田中はうっすらと笑みを浮かべている。

「これから気を付けたほうが良いぞ」

「え?」

「桜庭さ、もうあいつはおしまいだよ。ちょっと顔が良いからってさ」

嫌な予感がして豚饅頭のクラスに行く。

豚饅頭の席に本人はおらず、そのかわり大量のゴミが置いてあった。


豚饅頭がトイレで泣いているのを見つけたのは次の休み時間だった。

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