EP-02:黒と黒の激突
「このブレスレットは…?」
「新型のマッハブースターを開発中に生まれた産物だ
試作型を改良し、「再起動」と言う形で再びセットアップする
簡単に言えば、今のセットアップに
新たなソフトウェアをダウンロードして強化する
アップグレードじゃな」
「アップグレード…」
「だが、そいつはそれの試作型の試作型
まだ完全なモノでは無い
人体への影響は保証できん」
強化装置
今のままではあのエヴィリゴンには勝てない
これを使えば人体の無事はわからない
でも、今の状況を打破するとしたら…
「…それ…貸して貰えませんか?」
「お姉ちゃん!?」
「エリ、あなたの言いたい事はわかります
でも、ここを切り抜けるにはこれを使うしか無いんです…」
「お姉ちゃん…」
「良いのだなアミリア?」
「はい!」
博士からブレスレットを借り
直ぐさま地下へ向かった私たち
マザーゲートのある地下室の入り口から4つ先の部屋は
すでにエヴィリゴンが掃討されていた後があった
中には防衛軍の負傷者もいる
4部屋目の中心部辺り
真上から突然何かが降ってきた
なんとか回避する私たち
現れたのはあのエヴィリゴン
こちらの様子をうかがっているのか
特に動きを見せない
「エリ…後ろに下がっててください」
私が声を掛けると
エリが小さくうなずいて下がる
腕に着けたブレスレットのボタンを押しながら
私は叫んだ
「クロノス!セーッ・アープッ!」
眩い光が私を包み
目を開けた次の瞬間
私の戦闘服は今までのモノと違ったものに変わり
目にはバイザーが着けられ
相手の情報を出していた
両手に持っていたオートクラスターは
黄色い装甲板の様なモノに覆われ
合体した状態になっていた
同時に来る身体への重み
まるで長時間水中で過ごしていたかのような
苦しい感覚が私を襲う
でも、それに負けていてはエヴィリゴンには勝てない
エヴィリゴンが腕先のミサイルを発射する
右に回避しようとすると
自分が思った以上の位置に移動し
左方面では爆発が起きていた
反動が左肩にのし掛かる
反動をこらえながら
合体したオートクラスターを構えて撃った
エヴィリゴンはバリアを張る
しかし、そのバリアを打ち破り
オートクラスターのエネルギー弾は
エヴィリゴンの顔面を撃ち飛ばした
右も左もわからなくなっている状況のエヴィリゴン
すかさず私は発動した
『SMASH・BLAST!』
時計状に弾丸が発射される
一発一発の反動に耐えながら
12発の弾丸を撃ち尽くした
弾丸の円の中心を狙い
13発目を撃つ
それまで以上の弾丸の反動に耐えきれず
私は後ろに吹き飛ばされ
壁に叩きつけられた
弾丸は円に到達すると
一つの巨大な光弾となり
エヴィリゴンに命中
大爆発を起こした
~続く~