レストランを手伝うという話。その2
翌日、俺たち『願え!俺たちは無敵!』のメンバーは超有名レストラン〜AMAMACHI〜に向かっている。というより、着いているのだが……
「何で入らねぇの?」と雷が不思議そうに見てくる。
そう、俺たちは高級レストランなんてお初なのだ。つまり、緊張しているのだ。
「「「………。」」」女子三人は三十分ほど前からずっとこの状態。俺は緊張しつつも、
「行こうぜ?」とか言っているのだが、ピクリとも動かない。そのとき後ろから「何してんの?」と声が聞こえた。
振り向くと、よく知っている顔が。
雷の父さんだ。
「早く入れよ!」という雷の父さんの言葉で女子どもはやっと動いた。
レストランの中はかなりいい匂いがした。
机の上にある料理を指して、雷の父さんは言った。
「昼飯まだだろ?食え食え!」
「「「いただきますっ!!!」」」
女子三人はハモった。
女子ってのはなぜ食べ物に弱いのだろうか。
「太りたくない」くせに食べる食べる。
普段静かな永海なんかは、もうデザートに突入してる。早い早い。
俺と雷に出来ることは苦笑だけだね。
「「いただきます。」」俺と雷も食べ始めることにした。遅いと、女というブラックホールに俺たちのご飯も吸い込まれてしまう気がしたから。
「「うまーっ!!」」俺と雷は言った。
雷の父さんはカウンターの奥で満足そうに笑っていた。