レストランを手伝うという話。
〝夏休みフェス〟が終わり、平和で暇すぎる日常に戻ると思っていた俺の予想は大はずれだった。
「「「「店の手伝い!?」」」」
俺、咲、永海、夢の四人は声を揃えて言った。
「うん。父ちゃんに頼まれた! 明日から一週間手伝ってほしいんだって!」雷が言う。
雷の説明によると、レストランの従業員達が、疲労で一度に少なくない人数が寝込んでしまったらしい。
かなり大変なのだろう。
雷に伝言するということは、雷の父さんはシナリオを立てているはずだ。
息子に手伝って貰うようにお願いする。
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息子が信用できる幼馴染みを誘う。
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やったぜ!!人員確保完了!!
こんな感じか。
正解なら雷は雷の父さんのシナリオ通りに動いている。
「なぁー、お願いだよー!! 手伝ってよー!」雷が頼み込む。
「手伝って私たちに得はあるの?」永海が答える。
「聞いてみる!!」と、雷は電話をかけ始めた。
「うん…了解! 伝えるよ!」雷は電話を切った。
「で、どうだったの?」永海が聞く。
「給料出るってよ! 普通の従業員より多くするって言ってたぜ!」
ピクッと雷を除く四人は反応する。
そして同時に……
「「「「やる!!!」」」」と答えた。
俺たちの親が金持ちだからといって、俺たちは普通の中学生。お小遣いを多くもらっているわけではないのだ。
雷はニコニコと笑っていた。
そうして、新たなる依頼が始まる。