表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まぁ、仲が良いのが一番です。  作者: 優しい闇
4/28

バンドをするという話。その3

「こっ、こうですか?」永海が聞く。

永海はしっかり者に見えて、不器用だ。

「これがこうでこっちがこうで…」

親父も教えることが大変そうだ。

俺は小さい頃から楽器で遊んだりしていたから、演奏することは難しくない。

雷は同性別なこともあり、小さい頃から遊んでいた。そのときに親父からギターを教わっていたはずだ。だから、上手い。

夢はというと、ピアノの経験を活かし、キーボードを弾いていた。めちゃくちゃ上手い。

夢と親父の方から「お! そんな感じだ!」

などと聞こえてくるので、上達してきているのだろう。

俺は、ドラムを叩く。雷は、ギターを弾く。

夢は、キーボードを弾く。永海はベースを弾く。

そこからしばらくの個人練習が続いた。


「よし! 合わせてみようか!」

と、親父の声が響く。

親父は、俺たちが個人練習している間に、即席で曲を作ってくれていた。さすが親父。

ドラムである俺がテンポを取る。

「じゃあやるぞ。1.2.123はい!」

ー ー ー ー ー ー ー ー

ー ー ー ー ー ー ー ー

見事に音が重なり合った。ように思えた。

ドラムは一番立ち位置が後ろだから、みんなが見える。

夢と雷は流石に上手い。普通に弾けている。

ただ、永海の手が動いていない。

足、いや、身体が震えているのだ。

ヴォーカルの咲は離れた場所で目をつむり、音を聴いている。

親父は……真剣な眼差しでこっち、永海を見ていた。

その後、親父がみんなにアドバイスをして、解散となった。


その日の夜、俺は親父に呼ばれた。

「分かっていると思うが、永海ちゃんのことだ。」

「うん。震えてたことだろ?」

「ああ。永海ちゃんは、昔から本番に弱いな。練習では完璧だったのに…。」

「だろ? 幼稚園の発表会で泣いてたよな。」

少し俺と親父は笑った。

「まぁ、後は頑張って練習してくれ。」

それだけだ。と言って、親父は部屋を出て行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ