バンドをするという話。その2
次の日のAM10:30。
『願え!俺たちは無敵!』のメンバーは、
俺の家の地下にある音楽スタジオにいる。
今から15分前のこと……
「全員いるよね! じゃ、楽器決めよっか!」
楽器決めを行うことになったのだ。
夢が買ってくれた楽器なので、夢が仕切る。
「じゃあ私ヴォーカルね!!」
まさかの咲が立候補した。
でも、咲の歌唱力は父親譲りだから心配ない。
「じゃ、咲がヴォーカル決定!! これ、マイクね!!」
マイクを渡された咲はアイドルに見えた。
「じゃあ私はベースで。」永海が言った。
「じゃあ、決定ね!はいベース。」
ベースを受け取った永海は凛々しかった。
このノリなら早いもの勝ちだなと思い、言ってみた。
「俺、ドラムがいい!」
「うん! 決定ね!!」
やったぜ決定!男の憧れドラム!!
「俺はギターだな!」雷が言った。
「これでみんな決定だね!」
と、こんなことがあったわけだ。
「遅れてすまんな!!」と元気良く入って
来たのは波本 謙太。
俺たち兄妹の父親であり、人気歌手だ。
「おー! お前ら元気だったかー?」
考えてみれば、うちの親父とこのメンバーは前に関わったことがある。
前と言っても小学校の低学年だったかな。
俺たちは幼馴染みだから、お互いのことをよく知っている。また機会があれば話そう。
「じゃあ、練習しようか。」
「「「「「はいっ!!!!」」」」」