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第7話 殿下がやってきた♡

「仲良くやっているじゃないか。それにしても綺麗になったな」

殿下が、なんと一人でハーリー様のお屋敷に来られた。

護衛もなしで危なくないのだろうか…。

片付いた部屋を見渡して感嘆されたようだ。

「目が見えなくてもしっかり出来るんだからすごいな。信じられなくて悪かった」

「いっいえ!そんな…謝られるのは恐れ多いです。それに妖精が私の目の代わりになってくれているなんて信じられる人なんていませんから。」

今までもおかしな子だと何度も罵られてきたし今に始まったことではない。

あれ?今までも?

私はいつから呪われて、目が見えなくなったんだっけ…

最後に誰かと話したのはいつだろう?


「それは違うな。私は彼女の妖精が、ミルクを飲むのをはっきりと見たぞ。ちゃんとお前を信じている」

ドキッ

ハーリー様が力強い声でそう言った。

私が妖精と生きているのを信じてくれたの!?

「それは本当か?」

殿下が驚いた声でハーリー様に聞いた。

「ああ、目の前で小皿からミルクが減っていったり、クッキーが齧られて消えるのを何度も見たからな。それにたった3日一緒にいるだけでわかったが、アイラは嘘をつかない」

うう。なんて嬉しい言葉なんでしょう。

目頭が熱くなっちゃう。

騎士らしい真っ直ぐな性格にますます惚れてしまう。

「あ!そうでした!殿下、必要なものがあります!ベッドです!」

「寝台だと…?」

「はい、この部屋に一つしかありませんよね!?メイド用の部屋は、ハーリー様に教えてもらったので掃除しましたが、布団なんて全てカビが生えていたらしいんですよ!新しい布団を用意したくても呪われた私になんて誰も売ってくれなくて!くさいから営業妨害だって追い出されるんです…だからこんな小さいベッドで一緒に寝てるんですよ!しかも朝になったらハーリー様がソファーで寝ていて結局私が占領しているんですよ!?」

「それは…まことか…」

殿下がハーリー様に聞いて、ハーリー様が頷いたのか、殿下がため息をついた。

「今日中に用意させよう」

「もういいだろうカレドニア。においも耐えられないだろうし、帰れ」

「しかし…」

「あっ!殿下、ベッドはこの部屋に運んでくださいね」

「なっ何を言っている?君は年頃の女性だろう?いい年をした騎士とメイドが同じ部屋で寝るなど…」

「何もありませんでしたよ?ねっハーリー様」

「…」

私はハーリー様がいるらしきところに顔を向けて言ったけど返答はなかった。

「ハーリー様にお仕えすることが私の仕事です。高いお給金もいただけるみたいですし?24時間体制で守っていかないと!なのでこの部屋にベッドを置いてください。この先メイドが増えることがあればその時はメイドの部屋にまた新しいのを用意してもらうのでそれでいいです。ただでさえ私は目が見えないのに、あんな遠い部屋で寝ていてはハーリー様を守れません!」

「…と言っているが大丈夫なのか…?今でもソファーで寝てるということは一緒に寝れないからだと思うんだが…」

「好きにさせればいい。どうせアイラは決めたことを覆さない。違う部屋に寝台を置いたところで布団だけ持ってきてこの部屋で寝るだろう」

も、もう私の性格を見破っている!

さすが私の憧れの騎士様♡

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