第5話 初会話♡
「ハーリー様、お風呂いただきましたあ!」
風呂上がりに飲む水を二人分とふーちゃんのミルクを用意して、ハーリー様の部屋に入った。
ハーリー様に水を渡そうとしたけど、受け取ってもらえなかったのでそれはテーブルに置いて、自分の分を飲んだ。
もうパジャマには着替えていたので、ハーリー様のベッドに近いた。
「ハーリー様、ベッドは一つしかないので一緒に寝てもいいですよね?」
ハーリー様がみじろいたのを気配で感じた。
「王子殿下に必要なものがないか聞かれたのに…私の分のベッドがないなんて聞いてなくて、ごめんなさい。」
ハーリー様が何も返答をしないので、私は「失礼しまーす」とベッドに入った。
「まさか、レディを床で寝かせませんよね!?そりゃあ主人とメイドが同じベッドなんて不躾だとは思いますよ?でもだったらメイドの部屋を用意しないと!何もないんだから仕方ないですよ。」
「…メイドの部屋はある…」
「え」
私は固まった。
い、今ハーリー様が…喋った?
「ちょっ!ふーちゃん、聞いた?ねえ、今ハーリー様喋ったよねぇ!?私に話しかけたよね!?」
《そうみたいね…思ったより綺麗な声してるじゃない。》
「やったああああ」
私は両手を上に上げてベッドに立った。
「話してくださったぁーっ!やった…あっっ?」
そのまま飛び跳ねていたら足を踏み外して落下しそうになった。
「お前っ」
ハーリー様がとっさに私のお腹に腕を巻いて引っ張ってくれた。
「目が…見えないのは本当だったんだな…」