後書き&解説
読者の皆様へ
この度は、幽子さんの謎解きレポート「幽子の誕生日編」をお読みいただき、心より感謝申し上げます。多くの方にご覧いただけたこと、大変嬉しく思っております。
さて、早速ですが本編の解説に移らせていただきます。
今回のお話は、本作品のヒロインである「佐々木 星空」の名前や、彼女の愛称「幽子」についての背景をお伝えするものです。
実は、本作品を創作するにあたり、最初に決まっていたのは「幽子」というアダ名の方でした。
オカルトをテーマにする中で、オカルト的な響きを持つ名前を考え、「幽霊の子」または「幽霊と関わる子」という意味を込めて「幽子」と名付けることにしたのです。
当初は、彼女の本名も「幽子」とする予定でしたが、子供に「幽子」という少々不吉な名前を付けないだろうと考え、作品の現実味を損なわないためにも、幽子はあくまでアダ名として設定することに決めました。
そして、本名である「佐々木 星空」についてお話しさせていただきます。「佐々木」という名字には特に深い意味はなく、作品のプロットを考えている際にふと頭に浮かんだ仮の名前でした。
一方で、名前の「星空」については、決定までにかなりの時間を要しました。最初の案では、もう少し大人っぽくクールな名前にしようか、あるいはオカルト的な影を持つ名前にしようかと悩み、いくつもの案が浮かんでは消えていくという状況が続きました。
悩み抜いた末に、一旦すべてを白紙に戻し、現代風のキラキラネームを考えることにしました。そして、影のある夜をイメージした名前を模索している中で、最終的に「星空」という名前に行き着いたのです。
セイラと言う可愛らしい名前の響きと、当初思い描いていたクールなイメージのヒロインとのギャップが生まれて良いのではないかと、命名した際に思っていました。
しかし、物語が進むにつれて、彼女の内面から徐々に可愛らしい一面が顔を出し、最終的には今のイメージへと変化していきました。この変化は、まさに「名は体を表す」という言葉を実感させるものでした。
また、セイラ=セイラ・マスという設定は、名前を付けた当初から温めていたアイデアです。このネタをようやく披露できたことは、私にとって本当に嬉しい瞬間でした。彼女の成長と共に、読者の皆様にもその魅力が伝わっていれば幸いです。
さて、物語の内容について少し触れさせていただきます。本エピソードでは、「いじめ」と「差別」というテーマに焦点を当てています。
お読みいただいた皆様には、これらの問題について何かを感じ取っていただけたのではないかと思います。
いじめや差別は、さまざまな理由で発生するものと思っております。その中には、自分ではどうしようもないことで苦しむ方々がいることを、私は常に心に留めています。肌の色、容姿、障害など、他者と違うから、普通ではないからという理由で、いじめや差別が生まれてしまうのです。
私自身、こうした話を耳にするたびに、いじめや差別は「くだらない」、「意味がない」と感じます。仕事を通じて障害を持つ方々と関わる機会もありましたが、彼らは皆、普通の人々です。特に変わったところもなく、普通に世間話をし、趣味を持ち、恋愛の話もできる、何ら変わりのない人たちです。
もし、いじめや差別をしている方がいらっしゃるなら、本エピソードに登場する「結衣ちゃん」のように、少し勇気を出して話してみてはいかがでしょうか。少しでもいじめや差別がなくなることを、心から祈っています。
最後に、本エピソードに登場するしんいちとセイラの担任の先生、「高橋 温子先生」についてお話しさせていただきます。
高橋温子先生は実在の人物であります。
温子先生は私の中学時代の担任であり、非常に良くしていただいた恩師です。若干の変更は加えていますが、彼女は明るく元気で、本当に生徒から慕われていた素晴らしい先生でした。
しかし、数年前に温子先生はガンでお亡くなりになりました。訃報を聞いたとき、私はお通夜に出席させていただきました。その際、会場には多くの教え子たちが集まり、会場に入りきれないほどの人で溢れかえっていました。
温子先生の人柄を改めて感じることができる瞬間でした。彼女がどれほど多くの人々に愛され、影響を与えていたのかを実感しました。
改めて、心からのご冥福をお祈りいたします。
さて、次回作についてお知らせいたします。本作品もいよいよ中盤に差し掛かり、予定通り「学園祭編」の続きとして、旧校舎の謎に迫る物語が展開されます。
今回の作品は、初の前編・後編構成を予定しており、物語の長さについてはまだ未定ですが、皆様にお楽しみいただける内容を目指して鋭意制作中です。
仮のタイトルは「Report6(前編)生き写し編」となる予定です。旧校舎に潜む不思議な存在と、それにまつわる謎を解き明かす旅が始まります。
引き続き、「幽子さんの謎解きレポート」を応援していただけますよう、心よりお願い申し上げます。
あと、もしよろしければ、評価や、コメント頂けると執筆の励みになりますので、こちらの方もよろしくお願いいたします。
では、次回作もどうぞお楽しみに。
I hope this story reaches everyone.




