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4話 一瞬の楽園

―須川光サイド―

午後。

雲ひとつない清々しい陽気。

ほのかに吹く風が俺を優しく撫でていく。

ああ、なんていい日なんだ。

こんなにのんびりとした時間を過ごしていたいというのに・・・

男子生徒「おい!ボールいったぞ!」

光「おーう」

体育という授業が俺を縛り付ける。

何で絶好の日向ぼっこ日和に野球という暑苦しいスポーツをせねばならぬのだ。

頭がぼーっとなる。

このまま安らかな眠りに就きたい。

翔「おい!ひか・・・」

ドン

衝撃が俺の毛におおわれた丸い場所に当たる。

し、視界が揺れる・・・ぜ。

目を閉じても暖かな光を感じていた。

意識が徐々にはっきりしてくると、そこは真っ白な世界。

こ、ここは・・・

天国という名の楽園。

この楽園には美人の天子さん達が住んでおり、傷ついた俺を優しく介抱してくれる。

健全な男子高校生にはパラダイスなような場所・・・

ってそんなはずはないわけで。

保健室でした。

しかも、誰もいない。

うん、悲しくなるね。

カーテンに仕切られたベットで一人、差し込む夕日に照らされる俺。

外野から見れば少しは神秘的な光景に見える可能性が無きにしも非ずだが、頭が痛くて動かない俺に見えるのは、沈みかけた太陽とうす暗くなりかけた保健室の天井のみ。

なんだよ、つまらん。

なにかイレギュラーな出来事が起きないかな?

そう期待していた時、

ぷにゅ

俺の手はとてつもなく柔らかい何かをつかんでいた。

こっ、これは・・・・

ま・・・まさか・・・

だ、男子高校生なら憧れの、し、シチュエーションというやつなのでは・・・

もしかして、ゴールデンタイムでは放送できないような如何わしい状態の女の子がいて・・・

ぷにゅ

再度感触を確かめる。

これは絶対、女の子のあれだ。

むn・・・

べちゃ

え!?

感触が変わった!?

何だこの粘っこい触り心地は??

恐る恐るそーっと身体を起こしてみる

手にしていたのは握りつぶされたスライムだった。

期待した俺がバカでした。

というか誰じゃ病人にスライム握らせたやつは!!

ゆっくり起き上がり周りを見渡すが誰もいない。

へ?

なにこれ、どういう状況?

疑問符を浮かべたまま、白い部屋でぼーっとしている。

―――?サイド―――

うそ!

私が仕掛けたスライムを破壊した?

まさか、あの子が?

要注意ね。


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