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捲り屋   作者: 伊藤洋助
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遂行

「今日、中谷(なかたに)休みだってさ」

 綺麗にブリーチされたストレートロング髪の生徒は、机に座りながら傍にいる同じような出で立ちの友人達に言った。ミニスカートの隙間から下着が露わになりそうなのも気に留めない様子で足をブラブラさせる。

「つまんねー。やっぱり()()が効いたのかな。美華(みか)、ちょっとやり過ぎたんじゃない?」

 茶髪混じりのボブカットの生徒が軽く振ると、机の上の女子は全く悪びれる様子もなく返す。

「全然まだまだ。うちらにあんな言いがかりつけといて、これっぽちで済ますつもりなんてないから。もっととっておきのサプライズ用意してるし」

 その言葉に黒髪で左耳にピアスを嵌めた丸顔の女子が顔を寄せた。

「サプライズって?」

 すると美香と呼ばれたその少女は両手を口で隠し耳打ちした。

「え―――!」

 吃驚した大声に、周囲で大人しく座っていた生徒たちもビクついて一斉にそちらを向く。

 周りの反応も眼中にないように丸顏の女子は返した。

「流石にそれは不味いって、あいつ自殺しちゃうかもよ」

 軽薄に放たれたその言葉にも美香は全く意に介さないように口を開いた。

「仮にそうなっても問題ないよ。パパ、警察関係者とも仲がいいし」


 

 その会話をスピーカー越しに、聞いていた束元は隣で顔を震わせている少女に言った。

「奴らは()()()()()()()()を立てているようだな」

 横目で彼女を見ながら運転席に凭れかかった。

 少女は目を見開きながら、束元に向き直った。

「どうやって盗聴器を? ……あそこはセキュリティも厳しいはず」

 すると束元は白のスタッフジャンパーのポケットから例の分厚い封筒を取り出し、少女の目の前でちらつかせた。

「おいおい。こんな大金受け取っておいて、ただの探偵の真似事をしろと? 冗談だろ?」

 目を丸くしたままの少女に向かって、束元は不敵な表情で言い放った。

「俺は()()だ。請け負ったからには、()()()()()()()()()()()



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